歌志内市神威地区盆踊り2007

訪問日:2007年8月13日(月)

場所:歌志内市神威地区

上砂川に向かう途中で見つけた3つ目の盆踊りである。この盆踊りは3年前にも訪問しており,そのときは夜もかなり更ける中,素朴な唄で躍動感あふれる踊りを見ることができ,これこそ本物の盆踊りだと感動したものである。しかし同時に,会場には何ともいえぬ寂しさが漂っており,この盆踊りを見るのはこれで最後になるかもしれないという不安も感じていた。

その盆踊りが3年後の今日,大変立派な姿になって再び現れたのだから驚いた。

会場は神威炭鉱,歌志内炭鉱,新歌志内炭鉱の石炭輸送を一手に引き受けていた国鉄歌志内線神威駅跡近くの広場である。盆踊りは神威町内会,桜沢町内会,桜ヶ丘町内会,老人クラブ友愛会の協賛,神楽岡町内会,澤田商店の協力で実施されていた。

子供盆踊り

子供たちの数は少ないものの,小さな広場に太鼓が4張,売店も出て,とても賑やかに感じられた。青年が先頭に立って踊っており,比較的きれいな踊りが見られた。ただ,振り付けは基本とやや異なっており,間奏で円心に向かって前進する部分では手の振りを伴わず足を蹴り上げており,また,「牧場に街に」の後と「手びょうしそろえて」の部分は前進しながら回転していたので輪の回りが非常に速くなっていた。

テープは持田ヨシ子盤をエンドレスに編集したものが使用されていた。下の動画は3番から1番にかけての部分で,後奏・前奏がカットされていることがわかる。オリジナルでは3番でいったん曲が終わり,踊りが不連続になるのだが,このようにエンドレスに編集した音源も出回っているようである。

子供盆踊り動画(3.0MB)

18時50分頃からは花火大会が行われた模様である。

抽選会用の豪華な景品。参加者よりも景品の数のほうが多いかもしれない。

大人盆踊り

上砂川の盆踊りから戻ってくると大人盆踊りが行われていた。踊り手は少ないのに囃子舞台はやたらと豪華で,1万人級の盆踊りでも十分に通用しそうなぐらいである。唄は昨年のふるさと赤平納涼フェスティバルと同じメンバーが担当していた。唄われた主な歌詞は下記のとおりである。

中に独特の踊りを披露している若者たちがいた。足で地面を蹴るようにして踊っており,3年前にも同様の踊りを見たのだが,これが「べっちょ踊り」らしい。べっちょ踊りは現在の北海道の盆踊りのルーツとされており,戦後しばらくまで炭鉱地帯で盛んに行われていた盆踊りである。一説には盆踊りは手よりも足の動きが重要で,天地の間にいる人間が地を踏むことで,霊を封じ込める鎮魂の意味があるとされている。べっちょ踊りの特徴は「蹴り」の所作が入ることだが,そういう意味ではべっちょ踊りは,より霊との関わりを深く持つ本来の盆踊りに近い踊りだと言うことができよう。

平成14年の第1回三笠北海盆踊りでべっちょ踊りが復活したときの映像を見たことがあるが,たしかに神威の踊りと似てはいる。この種の踊りをほかで見たことがなく,べっちょ踊りがこの地で細々と踊り継がれてきたのだとすれば興味深いことである。

大人盆踊り動画(4.4MB)

大人盆踊り動画(べっちょ踊り?)(3.0MB)

北海名物 数々あれど おらが国さの 盆踊り
北海名物 数々あれど おらが北海道の 盆踊り
波の花散る 津軽の海を 越えて蝦夷地へ いつ来たか
主が唄えば 踊りも締まる 櫓太鼓の 音も弾む
踊り見に来て 踊りの中でよ 何時か手を振る 浴衣がけ
踊り踊るなら 品よく踊れ 品のよい子を 嫁にとる
今年や豊年 ほに穂が咲いて 道の小草に 米が成る
盆は嬉しや 別れた人も 晴れてこの世に 逢いに来る
姉と妹に 紫着せて どれが姉やら 娘やら
姉と妹に 紫着せて どれが姉やら 妹やら
茶屋のばあさん 酒出せ酒を 酒のお酌に 娘出せ
茶屋のばあさん 酒出せ酒を 酒のおかずに 娘出せ
○○は十七八 蕾の頃は 今は二十一 花盛り
歌志内名物 数々中で おらが神威の 盆踊り
嫁も姑も ○○○○踊れ おらが神威の 盆踊り
※「○○○」は歌詞不明