第54回さっぽろ夏まつり北海盆踊り

訪問日:2007年8月20日(月)

場所:札幌市大通西7丁目

 

さっぽろ夏まつりの催しの一つとして毎年8月14日から20日までの1週間に渡って実施される盆踊りである。札幌のど真ん中で行われる割には規模が小さくあまり知られていないが,道内随一の伝統を誇り,踊り手,囃子方ともに第一人者が集う北海道最高峰の盆踊りである。昨年は,中日の17日に訪れたが,今年は仮装コンクールが行われる最終日を訪ねた。

18:30〜19:30 子供盆踊り

もともと子供盆踊りといいながら大人の踊り手のほうが多いのがここの盆踊りの特徴だが,この日は最終日とあって,ミスさっぽろや北海盆おどり連のメンバーらも加わり,輪は一段と賑やかだった。中には日本舞踊調のたおやかな踊りを披露する踊り手もおり,観客を魅了していた。

昨年に引き続き,スポンサーの関係で,途中で3度,2回ずつ,しまじろうの「たべものソーランぶし」が挿入された。これはジャンプなど高齢者には難しい動作が含まれている上,誰も踊れないので,やめたほうがよいと思う。盆踊りというのは老若男女を誰でも踊れるものでなくてはいけない。

櫓の上には北海道テレビ放送HTBの看板キャラクターonちゃんが途中から上がり,司会者と一緒に踊っていた。

二十日盆とはいっても,今日は平日である。北海道では子供達の夏休みも終わり,会社でもこの日から仕事という人が多かったことだろう。それでも終盤には輪がふくれあがり,踊り終了後には西側の芝生にお土産の配布場所が設けられ,安全のため櫓の西側,南側,北側,東側の子供達の順に司会者が芝生に誘導していた。

子供盆踊り動画(2.9MB)

19:30〜20:30 仮装コンクール

 

いわゆるお盆というのは8月の14日から16日を指す地域が多いが,8月20日を二十日(ハツカ)盆と言って,この日で一連の盆行事は終了となる。精霊とともに踊る輪踊り形式の盆踊りとは趣向を変えて,二十日盆には盛大な仮装盆踊りのパレードをやって精霊を元の世界へ送るのである。かつてはどの町村でも見られた二十日盆のバレードもいまでは珍しくなり,むしろ札幌や千歳など都市部で旧来の習わしが残っている。

ここからは司会者がHTBの佐藤麻美アナウンサーに交替し,札幌民謡連盟の唄部会,囃子部会,太鼓部会と審査員が紹介された。審査委員長にはさっぽろ夏まつり実行委員会会長,審査員には札幌市議会観光議員連盟会長,北海道テレビ放送株式会社営業局長,札幌市観光文化局長,札幌商工会議所理事事務局長,札幌市女性団体連絡協議会会長,札幌民謡連盟会長の諸氏が当たっていた。

仮装の参加者は西8丁目をスタートし,パレード形式で西7丁目の櫓に向かってくる。その間,櫓の周りでは北海盆おどり連のメンバーによる模範演技が披露された。

北海盆おどり連模範演技(4.2MB)

20分ほどで仮装の参加者が西7丁目会場に到着した。仮装コンクールは所定の様式で事前に申し込む必要があり,参加者はあまり多くなかった。

20時21分,仮装の参加者が一巡すると,一般の人の踊りへの参加が認められ,群衆が輪の中へ一気になだれ込んでいった。

北海盆踊り動画(5.4MB)

 

20時58分,3代目今井篁山氏の「あまり長いと皆様飽きる,まずはここいらで止めまする」の唄に続き,難波鼓章氏の太鼓乱れ打ちで踊りの終了となった。

審査結果発表までの間,佐藤アナから唄,太鼓,お囃子各部会の代表者へインタビューが行われた。3代目今井篁山氏はおよそ50年に渡りこの舞台に上がり続けているという。難波鼓章氏も太鼓歴は50年近く,昭和43年から大通りの櫓に上がっているというベテランである。今年はやはり人の入りが多く,今日の最後に津波のように輪が増えていったのは感動だったという。

21時09分,審査結果発表。審査委員長の挨拶の後,優勝,準優勝,入賞,特別賞の各賞が発表された。

審査結果発表の間,西側の芝生の上では,北海盆おどり連が打ち上げをやっていた。その中で会長から,盆踊りの発展のためには,次代を担う子供たちを育成していくことが必要であり,そのためにまず,お母さんたちに子供盆踊りに親しんでもらうための活動を今後行っていきたいとの話があった。

21時31分,表彰式終了。その後,難波鼓章氏による三本締めが行われた。

これをもって,1か月に渡り開催されてきたさっぽろ夏まつりは,すべてのプログラムを終了することとなった。