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歌志内市神威地区盆踊り大会2010

訪問日:2010年8月13日(金)

場所:神威町内会広場

規模は小さいながらも,地域の人たちの思い入れ,粋な歌と太鼓,そして何より「べっちょ踊り」が今も生きている点において,道内随一と目される盆踊り大会である。例年どおり8月12日,13日の2日間の開催のうち,本年は13日に訪ねた。2004年2007年に続いて3度目の訪問である。主催は神威町内会青少年部,協賛が神威町内会,桜沢町内会,桜ヶ丘町内会,協力が神楽岡町内会,老人クラブ友愛会となっている。

「盆踊りにつき歩行者に注意」という立て看板を見ても,いかに地域が盆踊りを大事にしているかがわかる。

20:00〜 一般盆踊り

会場に到着したのは21時半。既に踊りは佳境に入っていた。「べっちょ踊り」は健在で,若者たちを中心に半数程度の踊り手がべっちょ踊りを踊っていた。この踊りを初めて見たのは2004年の同会場だったが,その後,戦前の盆踊りの映像を見る機会があり,これがまさに北海盆踊りの原型とされるべっちょ踊りそのものであると知った。歌志内では他の地区でも同様の踊りを見ることができるが,意識的に保存されているようではないようで,なぜ歌志内にだけべっちょ踊りが残っているのか不思議である。

大人盆踊り動画(12.6MB)

櫓はこれも歌志内独特の古式ゆかしい四角錐台型特製櫓。囃子舞台は一流で,太鼓は地元神威町内会の青少年部が担当し,8月1日から連日稽古を積んできたとのことだった。歌は赤平の高橋三四郎氏を会長とする慰問団一行。

最後の30分間しか聞いていないが,その中でも次のとおり37種類もの歌詞が唄われた。「してもしたがる……」「……馬にけられて 死んでしまえ」など,踊りに負けずべっちょ節を彷彿とさせる歌詞が飛び出すのも,神威の盆踊りならではである。

今年や豊年 穂に穂が咲いて 道の小草に 米がなる

月はまんまるだよ ○○○て踊れ 踊りゃ浮かれて 丸くなる

唄え踊れよ 叩けよ太鼓 月の世界に 届くまで

踊り踊るなら 今晩限り 明日の晩から かごの鳥

嫁も姑も ○○○○踊れ 今宵限りの 盆踊り

高い山コから 谷底見れば 瓜や茄子の 花盛り

わしとお前は 羽織の紐だ かたく結んで 胸に抱く

ちゃんこ茶屋の婆 酒出せ酒を 酒のお酌に 娘出せ

北海名物 数々あれど おらが国さの 盆踊り

五里も六里も 山坂越えて 逢いに来たのに 帰さりよか

揃ろた揃ろたよ 踊り子が揃ろた 秋の出穂より よく揃ろた

踊り踊るなら 品よく踊れ 品のよい子を 嫁にとる

赤いパラソル 伊達にはささぬ 日除け○○除け 男除け

茶屋のばあさん 酒出せ酒を 酒のお酌に 娘出せ

月が櫓の 真上に来れば 月も浮かれて 丸くなる

姉と妹に 紫着せて どれが姉やら 妹やら

してもしたがる 爺様と婆様 今朝もしてきた 野良仕事

惚れた惚れたよ 川端柳 水に押されて 根が掘れた

してもしたがる 爺様と婆様 今朝もしてきた 寺参り

踊れ踊れよ 普段着の姿で 今日は年に一度の 盆踊り

阿寒大雪 雲間に晴れて 月の世界に 届くまで

蝶よ花よと 育てた娘 今日は晴れての お嫁入り

踊り踊るなら 三十が盛りよ 三十過ぎれば 子が踊る

盆は嬉しや 別れた人も 晴れてこの世に 逢いに来る

わたしゃ浜っ子 荒波育ち 色の黒いは 親譲り

カラス鳴く鳴く お寺の屋根で カラスその日の ○○○○○

踊り見に来て 踊らぬやつは 馬にけられて 死んでしまえ

そよぐ夜風に 誘いの太鼓 いつか知らずに 櫓下

親父おふくろ 今度の盆に 嫁ももろうて 孫連れて

唄え踊れよ 叩けよ太鼓 今宵限りの 盆踊り

波の花散る 津軽の海を 越えて蝦夷地へ いつ来たか

踊り見に来て 踊らぬ者は (木仏金仏 石仏)

北海名物 数々あれど おらが北海道の 盆踊り

歌志内名物 数々中で おらが神威の 盆踊り

親の意見と 茄子の花は 千に一つの 無駄はない

踊り揃うて 輪になる頃は 月も浮かれて 円くなる

立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は 百合の花

※「○○○」は音声不明瞭により歌詞不明。

 

地域の人たちによるささやかな出店もあった。

22時ちょうど,2時間続いた踊りは終了。その場にしゃがんで抽選券を受け取る。盆踊りくらいしか娯楽のなかった時代には,普通でも23時まで,さらに朝まで踊ることもあったというが,昨今,22時まで2時間踊り通す盆踊りはなかなかない。

町内会長挨拶。「これからも盆踊りという古来からの文化を,私ども歌志内神威町内会では続けてまいりたいと考えております。皆さんとまた来年元気よくこの会場でお会いすることを心から願いまして,お礼のご挨拶に代えさせていただきます」と力強く結ばれた。

抽選の開始。のし付きの買い物袋に入った賞品が12本。要領よく当選番号が読み上げられ,5分あまりで終了した。賞品の提供者や中身の紹介がなかったのは珍しかったが,間延びする抽選会が多い中で,余分なものをそぎ落としきった進行は,一つの模範と言えるだろう。その他,参加賞として箱ティッシュが踊った人たちに配布され,参加者は満足して家路についていた。22時16分,すべてのプログラムが終了した。