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苫小牧夏まつり仮装盆踊り大会

訪問日:2010年8月20日(金)

場所:苫小牧市若草公園お祭り広場

8月20日の二十日盆(はつかぼん)の日には,大規模な仮装盆踊りが行われる地域が多い。これは精霊送りの意味を持つほか,盆休みが明けて企業,団体での参加がしやすいという事情もあるだろう。また北海道では8月20日を過ぎるころから季節が秋めいてくるため,短い夏の最後を飾る行事として,やはり二十日盆の盆踊りは特別な意味を持っている。

札幌近郊では,札幌の大通,千歳市で二十日盆の大盆踊り大会が開催される。苫小牧市でも,2005年まで20年間にわたり仮装盆踊り大会が開催されていたが,諸般の事情で中止となった。しかしながら,市民からの再開を願う声は強く,この年,5年ぶりに復活した。主催は苫小牧商工連盟を中心とする苫小牧夏まつり実行委員会である。

17:30〜 子供盆踊り

広大な会場には,櫓を中心に二重の円が白線で描かれていた。踊りはあまり揃っていなかったが,5年ぶりなのでやむを得ない面もあるだろう。

テープはタンポポ児童合唱団が使用されており,片面23分間の両面が最後まで再生されたところで,ちょうど終了となった。

子供盆踊り動画(MP4,13.0MB)

 

子供たちはその場にしゃがんで,通常であればお菓子が配られるところだが,ここで苫小牧市消防団女性分団の方々が登場し,「僕らはちびっこ消防隊」という歌と踊りが披露された。しゃがんで待つ子供たちも楽しそうには見えず,興がさめるものだった。消防活動は大事なことではあるけれども,新しい踊りを広める前に,まず子供盆踊りをきちんと踊れるようにしてほしい。

子供たちに景品がいきわたったのは踊りが終わって15分後となり,最後は用意していた数が足りずに,ジュースに切り替えられた。

 

会場の出店では,ヤキトリ6本とビール(中)2杯またはジュース4本が1,100円(前売り券1,000円)で提供されていた。ただ,ビアガーデン風に,会場内にテーブルやいすを並べると,盆踊りから真剣みがなくなってしまう。

18時36分,開会式が行われた。司会進行は,商工連盟相談役の市議会議員の方が務めていた。挨拶には商工連盟理事長,苫小牧夏まつり実行委員会委員長である沖田道議が立ち,盆踊り復活に至る経緯が紹介された。続いて歌,三味線の苫小牧ちどり民謡会(会主:伊藤秋謡氏),大沢光生氏率いる太鼓担当の北海盆唄をこよなく愛する会「鼓心」のメンバーが紹介された。

18:30〜 仮装盆踊り大会

18時42分,盆踊りの開始。仮装盆踊りということで,一般の方は参加できないという申し合わせもあったようだが,参加してかまわないと再三司会からアナウンスがあった。

  

  

仮装はほとんど個人での参加で,非常に手が込んでいた。「祝復活!!仮装盆踊り大会」と旗を掲げた花嫁道中,汲み取り屋,探検隊など,流行にとらわれていないのが素晴らしく,衣装の完成度も高い。

いけなかったのは歌である。地元民謡会とは別に,プロの演歌歌手を招聘していたのであるが,いけてない演歌がよくやる遅出しの歌い方で北海盆唄を歌うため,非常に気持ちが悪く,踊りや太鼓の調子を狂わせるものだった。これほど不快な北海盆唄は聞いたことがなかった。北海盆唄は演歌ではなく民謡なのだから,民謡を歌えない演歌歌手に北海盆唄を歌わせては駄目である。下記動画はちどり民謡会による歌唱である。

仮装盆踊り大会動画(MP4,9.4MB)

唄われた歌詞は以下のとおりで,割と一般的なものが多い。歌唱はII型に近いIII型で,囃子言葉は,最後「どっこいどっこいどっこいナット」するのが通常のところ,「どっこいナー」としているのが特徴的だった。その後さらに囃子言葉なしで4拍余計に間奏をとっている。下の七五間の「ヤーレット」は人によって言っているように聞き取れることもあったが,間隔は置かずに「ソレサナー」に入っていた。

北海名物 数々あれど おらが国さの 盆踊り
唄え踊れよ 叩けよ太鼓 月の世界に 届くまで
ちゃんこ茶屋の婆 お茶出せ茶出せ 煙草盆出せ キセル出せ
高い山から 谷底見れば 瓜や茄子の 花盛り
波の花散る 津軽の海を 越えて蝦夷地へ いつ来たか
沖でドンドは 波音瀬音 陸でドンドは 樽囃子
姉コよい娘だ 踊りも上手 婿に行こうか 嫁にしょか
浜は大漁で 砂利まで光る 姉コ年頃 肌ひかる
ちゃんこ茶屋の婆 酒出せ酒を 酒のお酌に 娘出せ
五里も六里も 山坂越えて 逢いに来たのに 帰さりよか
立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は 百合の花
主が唄えば 踊りも締まる 櫓太鼓の 音も弾む
山で暮せば 侘いもの 水にコブシが 散るばかり
星の数ほど 男はいても 様というのは 主一人
踊り踊る娘が 何故足袋履かぬ 履けば汚れる 褄切らす
(目顔素振りで 知れそなものよ) 石の地蔵じゃ あるまいし
津軽海峡 涙で越えて 逢いに来たのに 帰さりよか
( )は一般的な歌詞からの推測

踊りの輪は,最終的に4重,5重となり,20時半過ぎまでの2時間近く,休みなしで続けられた。最後は太鼓の早打ちで締められた。

20時35分から審査結果の発表。35位から順に発表された。最下位でも商品は焼酎・ワインセットとなかなか豪華だった。