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第60回むろらん港まつりの北海盆唄

訪問日:2006年7月29日(土)

場所:室蘭市中島町

昭和22年7月に「復興港まつり」として開催されたことに始まる古い祭りで,2006年で60回目を迎えた。総参加市民踊りはまつり中日の午後4時から行われ,JR東室蘭駅前から各団体が順次出発する。最初の団体が出発してから最後の団体が出発するまでの時間はおよそ50分間である。

ちなみに明治以来,石炭積出港としてライバル関係にあった小樽の潮まつりとは同じ日程で開催されている。小樽の潮ねりこみ(市民踊り)は,最初の団体が13時に出発した後,最後の団体が出るまで6時間以上かかるので,小樽で潮ねりこみの始まりを見た後,160kmの距離を移動して室蘭の踊りを見物し,また小樽に戻って潮ねりこみを見るということも可能である。

2006年の市民踊りは「原点回帰」をテーマに掲げ,「北海盆唄」が17年ぶりに復活した。1990年以降「室蘭ばやし」と「室蘭サンバ」の組み合わせで踊られていたが,「室蘭サンバ」は踊りが難しく,参加者が1993年の3225人をピークに減り始め,2005年は805人にまで減少,これではいけないということで高齢者から子供まで誰でも踊れる「北海盆唄」に戻されたのである。

サンバ調の踊りは一昔前に流行し,各地の音頭や囃子が次々にサンバ調にアレンジされていったが,結局サンバは麻薬のようなもので,一時的に参加者が増え活気づいたように見えても,すぐに飽きられて,長年培われた文化をずたずたにしてしまうのである。

2006年は初参加3団体,復活組2団体を含む総勢1000人の市民が参加したが,見物客もまばらで,10万人都市の市民踊りパレードにしてはあまりにも寂しいものだった。

曲は北島三郎の「室蘭ばやし」と水前寺清子の「北海盆唄」が交互にかけられて踊られる。両曲は同じレコードの裏表に吹き込まれており,「北海盆唄」も室蘭独自の依頼盤として制作されたものと思われる。

振り付けは独特で,網を操るような仕草が入っており,一般的に盆踊りで踊られている振り付けとはまったく異なっている。それでも参加者はよく練習しているようで,どの団体もきれいに踊りが揃っていた。また,このようなパレード形式で北海盆踊りが行われるのは最近では非常に珍しい。

唄い方は囃子言葉も含めて三橋美智也のレコードと同じで,典型的な全国普及型(『北海盆唄考』でいうII型)である。踊りの周期と曲の周期は一致していない。歌詞は次のような全国普及型のレコードではあまり聞かれないものも含まれている。

踊り踊る娘が 何故足袋履かぬ 履けば汚れる 袖切らす
盆が来たかて お正月来たて 親父着せなきゃ 丸裸

レコードでは「袖(そで)切らす」と唄っているが,これでは意味が通じず,「褄(つま)切らす」を読み間違えたものと思われる。

「北海盆唄」動画(2.3MB)