北海観光節小さな旅行記知床32時間

2006.7.21〜2006.7.23

この7月17日で知床が世界自然遺産に指定されてからまる1年を迎えた。知床は35年前に「知床旅情」がヒットしたとき以来のブームに湧き,旅行会社は宿があろうとなかろうとどんどん客を送り込み,道路はバスとレンタカーで連日祭りのように渋滞しているという。

突然人が大挙して押し寄せるわけだから,現地が混乱するのも当然である。ついに地元自治体の長から「観光客は来るな」という発言まで飛び出した。

しかしこれほど騒がれているにもかかわらず,知床に関する情報は非常に少ないのである。本屋に行っても旭山動物園のように何種類もの本が平積みされているわけでもなく,せいぜいありきたりの「るるぶ」や「まっぷるマガジン」が知床に力を入れているくらいで,あとは立松和平氏のエッセイと,旅行には何の役にも立たない写真集が何冊があるだけである。ホームページにしてもそうで,正確な情報が伝わってこないというところに,むしろ現地の混乱が伝わってくる。

そうならば,自分の目で確かめてくるしかない。いま知床を旅行することは火の中に飛び込むようなことかもしれないが,たとえ火だるまになってでも,歴史的な知床の姿を見てきたいと思う。

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