北海観光節小さな旅行記弟子屈逍遥

弟子屈逍遥 その5

2010年7月18日

摩周18:47発→釧路20:06着 釧網本線 釧路行き普通列車(代行バス)

摩周駅には列車発車時刻の3分前に到着。ところが,既に到着しているはずの列車がいない。

何と,大雨のため網走から来るはずの列車が途中で止まっており,釧路までバス代行になるのだという。

代行バスとして運行される摩周ハイヤーのジャンボハイヤーには,運転手,車掌のほか乗客4名が乗車。摩周駅が始発で,ほぼ定刻に発車した。

 

普通列車代行バスのため,途中の駅にも全部寄っていく。車掌は摩周駅の駅員さんだが,こういうことにも慣れているのか非常にきびきびとした応対で,駅に着くたびホームまで乗客の有無を確認しに行っていた。

標茶駅では,1人の乗客があり,トイレ休憩がとられた。標茶発車時点で定刻より約8分遅れ。

茅沼,細岡と,国道からかなり離れた駅にも律儀に寄っていく。従って遅れは徐々に拡大し,細岡発車時点で約30分遅れとなった。

問題は車道が通じていないはずの釧路湿原駅である。釧路から別途係員を向かわせるなどして乗客がいないことを確認できれば,代行バスは立ち寄りをパスすることもありうると思ったが,バスは結局細岡からさらに湿原の深部へと進み始めた。

細岡展望台へ続く道から右へ逸れて小径へ入るとゲートが現れた。

このゲートを車掌さんがこじ開け,代行バスはさらに奥へと進んだ。

いよいよけもの道のようになって,車の全身を木の枝がこすり,ひっくり返りそうになるくらい激しく揺れた。

やがて,ライトアップされた釧路湿原駅が前方に見えてきたときには,車内が歓声に包まれた。乗客はゼロ。

ここまで来たら,岩保木山を林道で越えるのかと思ったが,また延々と細岡を経由して国道まで引き返すことになった。

遠矢駅で1名乗車し,結局乗客は6名となって,釧路駅には61分遅れの21時07分に到着した。

 

1年ぶりの釧路。その前は4年間訪れていなかったのだが,昨年訪れたとき,意外と駅前につながる北大通が活気づいて見えたのには驚いた。2006年に丸井今井が閉店し,釧路の寂れ様はすさまじいといわれるが,丸井がなくなったぶん,既存の商店が頑張っているように見える。中山茶紙店,豊文堂書店,ささき画廊,佐藤紙店など,ふらりと入ってみたくなる店は健在であり,この点は,西武,マルカツ,オクノ,エクス以外に魅力的な店のない旭川の買物公園とは対照的である。

本日の宿は釧路プリンスホテル。市内筆頭格のシティホテルが連休中日に素泊まり5000円とはひどい価格崩壊だが,もっと便利な場所に東横インやルートインができた現状ではやむを得ないのかもしれない。

ホテルにチェックインしてすぐに,タクシーでワーナー・マイカル・シネマズに向かった。運転手さんが昔は市内にもたくさん映画館があったが,いまは1軒しかなくなったと言っていたが,正確に言うと,ワーナー・マイカル・シネマズは釧路町にあるので,現在釧路市内には映画館が皆無なのである。

今夜は,昨日から公開された「借りぐらしのアリエッティ」を見ようと思う。

宮崎駿監督の映画はいままで一度も見たことがなかったのだが,先日ある本で,ある東大の先生が学生達に対して「いま生きている人で,君たちに最も影響を与えている日本人を1人挙げるとすると誰ですか?」と質問したのに対し,全員が異議なしと同意したのが宮崎駿だったという話を読んだ。

本当なのだろうかと思って,職場で話してみると,たしかにそうだろうという。早速先輩がお前はこれを見ろといって,「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」のDVDを渡された。

ところが「風の谷のナウシカ」を見てもまったく理解ができなかった。ナウシカは難しいので1度見ただけで理解できないのは当たり前だと慰められたが,わかりやすいと言われたラピュタもさっぱりわからなかった。共感できないということはほかの映画でも多々あることだが,理解できないというのは自分の国語力のなさを露呈することにもなり,問題は深刻だと思った。

 

それで,今日は映画館で見て,まわりの観客が,どういうところで感動するのかを確かめてみようと思ったのである。

ところがその思惑は見事に外れた。劇場の真ん中のいい席が取れたのだが,まわりには誰もいない。443名収容の1番スクリーンに,観客はわずか10数名だった。

映画は面白かった。映画館で見たからなのか,今回たまたまストーリーが簡単だったからなのかはわからない。ただ,面白くはあったが,これがなぜ日本人に最も影響を与えるほどのものなのかはわからなかった。

23時58分,終了。

映画に出てきたニーヤという猫がかわいかったので,ぬいぐるみを買おうかと思ったが,川湯温泉で買った木彫りよりも高いお金を,大量生産のぬいぐるみに払うのは何かが間違っているような気がしてやめた。

末広の繁華街。連休なのでそれなりに賑わっていた。

ラーメンはやっぱり,札幌や旭川じゃなくて,釧路がいちばんいいと思う。銀水,河むらという昼からやっているラーメン屋は閉まっており,久々に大将に入ってみた。

わかめラーメン(みそ)790円。釧路勤務時代に何度か食べたことはあったが,だいたい夜中の1時か2時に上司のお説教を聞きながらというパターンだった。今日改めて食べてみると,なかなかにこだわりがあって,本格的なラーメンだった。


「借りぐらしのアリエッティ」の話は,何となく心に残り,翌日札幌駅のシネマフロンティアでパンフレットを購入した。その際,チケット売り場には長蛇の列ができていた。

北海観光節