北海観光節小さな旅行記鵡川源流を訪ねて

鵡川を下って その3

地元の食材で森の民海の民交流会

19時30分,湯の沢温泉に移動し,むかわ町田園教育力再生協議会の相田会長の乾杯で交流会を開始。

メインのお酒は,おなじみふらのワインの「羆の晩酌」。

鹿や熊を獲ってくるところから料理まで,一手に担当された,湯の沢温泉の高橋勝美さん。今日は鹿鍋のほかに,熊鍋も作ってくださった。

一見ただのオードブルも,一品一品が村の鹿肉やニジマスを使ったこだわりの料理だと聞くと,参加者達は「えーっ」と驚き,すぐに,お皿の上の料理がなくなった。

 

えぞ鹿のロースのたたき,えぞ鹿のソーセージ,えぞ鹿の生ハム。飲食店で鹿肉を出す場合には,中まで火を通すことになっており,こうした鹿肉は内輪の交流会でしかいただくことができない。特に最も上等なロース肉をを使ったたたきは,何の味付けもしておらず,高橋さんの鹿肉の神髄が味わえる。

2010年10月10日(日)

0時30分,会はお開きとなり,村の人たちは自宅に戻った。

今日は妙に散会が早いなと思っていると,「これから居酒屋高橋が始まります」とのことで,泊まり組は広間に戻った。

みんながいるところでは出せなかったという,とっておきの鹿肉を前に,興味津々。

焼き方にもこだわりがある。

えぞ鹿の心臓とレバー。高橋さんはいつも食べられるので別に珍しいものではないとおっしゃっていたが,東京や札幌の料理屋でメニュー化すれば,相当の価値がつくはず。しかし,この味と安心感は,シカを獲るところから血抜きをして料理をするところまですべて高橋さんがやっているからなせるものでもある。

 

手間をかけて処理されたふわふわのレバーは絶品で,我々はご厚意に甘えて何回もおかわりをいただいた。

こうして,幻の鹿肉をいただきながら聞く,高橋さんの問わず語りは,我々を神秘的とも言える深遠な世界へと誘った。高橋さんは「そんな簡単なものではない」と何度もおっしゃっていたが,やはり猟というのは自然と人間の関係の究極であり,深く考えさせられるものがあった。

4時30分,お開き。後片づけをし,4時45分,就寝。相部屋の方は,4時には起床するとおっしゃっていたので,私は広間で座布団を並べて寝かせてもらった。

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