北海観光節小さな旅行記東川1泊2日

東川1泊2日 その6

2014年6月21日(土)-22日(日)

東川道草館前16:14発→旭岳16:56着 旭川電気軌道 いで湯号

旭川電気軌道随一の観光路線である「いで湯号」。乗るのは今日初めて。

もとは,旭川市内と天人峡,旭岳温泉を結んでいて,2006年まで基本的に観光客は無料で乗車することができた。同年,起点が道草館前に変更となったが,2011年,旭川空港経由で旭川駅前への直通運行が復活し,同時に天人峡への乗り入れが廃止されたという変遷をたどっている。

祭りなのでバスは混んでいるかと思ったが,席には十分空きがあった。

東川市街を過ぎていったん田園風景になった後,道草館から6分ほどで集落を通過した。

 

ここは東忠別地区で,東川第三小学校が現役である。古めかしい店が1軒あるだけの集落だが,こんなところでもどんどん新しい住宅が建っていた。

忠別川を渡ると東神楽町。間もなく志比内を通過する。米作中心の農業地域の拠点として,貫禄ある小市街をなしている。ここから山を一つ越えると美瑛町の朗根内という志比内と双子のような集落があり,小学校のグラウンドに架け渡されるこいのぼりで知られている。

志比内までは子供のころから東川に来るのに何度も通ったことがあるが,この先に進んだのは記憶にある中では1回のみである。景色は離農跡が目立ち,いよいよ寂しくなってくる。

そして正面には,異様な忠別ダムの堰堤が見えてくる。

忠別湖と愛称のつく忠別ダム。完成は2007年と新しい。ダムの底には,忠別地区という美瑛町の最深部にあった集落が沈んでいる。

観光ドライブイン・民宿・釣堀の「まんてん」。廃業して久しいようである。

天人峡への分岐。道路は天人峡へ向かう方がメインになっているように見えるが,現在天人峡行く公共交通機関はなく,バスは左折して旭岳温泉に直行する。

いよいよ景色が山岳らしくなってくると,車内にはテープによる大雪山の観光案内が流れた。

少し遅れて17時02分,終点旭岳到着。16時30分から開催されていた旭岳安全祈願祭はちょうど終わったところだった。

山の祭りの会場は,少し下ったところにある旭岳青少年野営場。祈願祭に参列したお客さんたちと一緒に歩いて移動する。

会場入口。

未舗装路道路を下って,新緑の会場へ。

17時から,野営場が「森のレストラン・マーケット」となり,祭りが始まっている。

雨上がりの野営場は空気が澄み,集っている人たちは若い。

ペギー葉山の「学生時代」に歌われるキャンプファイヤー, 「山男にゃ惚れるなよ」のダーク・ダックス「山男の歌」。山麓の野営場と言われて思い浮かぶそんなイメージが,この野営場では現実になっている気がする。

東川町伝承芸能の羽衣太鼓。

アルプホルンの演奏。近郊のホルン奏者が集まって,この祭りのために結成されたユニットだというが,各人欧州への留学経験があったり,そうそうたるメンバーである。

ホルンの演奏が18時過ぎに終わり,このあと1時間ほど出し物がないので,宿に入っておく。

野営場から宿までは徒歩で10分弱,高低差も50mほどあって,ちょっとチェックインしてくると言うにしては重たい道のりである。

本日の宿,グランドホテル大雪。

フロントで名前を申し出ると,

「本日は大部屋をご予約ですが,お一人ということで……」

と言われたあと,若干の間があった。

ほかのお客さんもいるのでご了承くださいと言われるか,勝手なお世話でシングルルームに変更されてしまったかと思ったが,

「ほかにお客さんはいませんので,どうぞご自由にお使いください」

と言われたので,まったく拍子抜けした。

10人部屋のログルーム。

あえて相部屋を予約したのは,祭りの日に一人で泊まることに気兼ねしたこと,実際泊まるだけだったので相部屋でも十分だと思ったこと,それと最近あまりにもどこに行っても一人なので,たまには山男と寝起きを共にするのも一興かという若干の好奇心もあったのだが,祭りの日で他に誰もいないとはどういうことだろうか。

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