東京旅行記

江戸東京博物館

国技館の隣に建つ江戸東京博物館。金曜日は20時まで開館しているということで,大相撲観戦の後に行ってみた。
1993年開館の新しい博物館で,相撲中継でも紹介されていたので一度来てみたいと思っていた。ここはなかなか良かった。じっくり見れば1日あっても足りないが,2時間あったのでそれなりに見ることができた。


まずエレベーターで6階に上がって,日本橋を渡って展示ゾーンに入る。写真撮影O.K,しかも指定された場所ではフラッシュもO.Kというのはおおらかだ。

朝野新聞社 歌舞伎「助六」の舞台

東京の博物館にしてはずいぶん観客が少ないと思ったが,観客のレベルは非常に高かった。女子大生?の2人連れで,片方の人がなにやら講釈をしながら見学をしていた。聞いているとずいぶん難しい話をしている。かなりのインテリだ。私も友人と博物館を見学するときには,いろいろ講釈をする役回りになるが,その内容はかなり怪しいものだ。北海道に彼女たちほどのインテリはなかなかいないだろう。さすが東京は文化の高い街だと思った。
テレビに映される東京では,知的レベルが疑われる女子高生が繁殖しているが,実際に東京を訪ねてみると,非常に知的な街なのである。電車の中でサラリーマンが外国人と普通に英語で会話している光景にも驚いたことがある。

それと,この博物館が良いと思ったのは,東京の街にあって東京のことを紹介していることである。当たり前のことのように思われるかもしれないが,これが当たり前ではないのである。
県立博物館の類はたいてい郊外の自然豊かな山の中にある。これでは博物館が孤立していて,展示物が生きてこないのである。博物館は展示物が元あったところにできるだけ近いところにあるのが良い。その意味で,両国という江戸の雰囲気を残す街に江戸東京博物館がある意味は大きい。
上野に東京国立博物館があって後日見に行ったのだが,そこには国宝級の展示物が全国から集まっているものの,「貴重だ」ということはわかったが,それ以上の感慨を持つことはできなかった。
北海道の開拓記念館も長く博物館の模範であるかのように言われてきたが,もうそろそろ北海道における博物館のあり方も見直していかなければならないのではないだろうか。北海道には歴史がないと言われるが,それは中央から見た歴史の中に北海道があまり関わってこないというだけであって,北海道にも立派な歴史があり,史料も意外と豊富にあるのである。そうした歴史や史料を活かしている展示施設は少ないと思う。

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