スコトン岬は最北限の地を名乗っている。最北端ではなく最北限であるあたりが若干いかがわしいのだが,実際宗谷岬より緯度的には南にある。昔はこちらが最北端だと思われていたそうだが,測量によって最北端ではないことが明らかになってからは,北限のイメージを残して最北限を名乗るようになったらしい。
海に浮かぶのはトド島。泳いでも行けそうなところにある。本多勝一著『北海道探検記』の中に「礼文島スコトン岬と海驢島」という一節がある。昭和36年当時,トド島への定期船が出ていて,「旅館のようなもの」まであったというが,いまではどうなんだろうか。
Sさんが「すごいところに民宿がありますよ」と紹介してくれた民宿スコトン岬。いったいどうやってこんなところに建物を造ったのだろうと思われるような崖の下にある。
最北限のトイレ | スコトン観光おみやげ店 |
スコトン岬には海沿いの道道のほかに尾根伝いに山道がある。恐らくこちらのほうが歴史は古いのだろう。急坂,急カーブのこの道は右に左に海が展開し,まるで空を飛んでいるような気分になる。
礼文ではかなり狭い道でも観光バスが入ってくる。しかしさすがにこの道はバスが通らない。ここは4時間コース,8時間コースにも指定されており,歩いている人には何人か出会った。礼文はレンタサイクルもあるのだが,歩く人が圧倒的に多い。山坂があるからだ。
銭屋五兵衛記念碑。銭屋五兵衛は今から160年前にロシアと密貿易を行っていた人物。江戸屋は銭屋の屋号だったと伝えられている。
眺めは素晴らしい。天気がよければサハリンも見えるという。あまり意識していなかったが,ここは国立公園である。