利尻路

沓形

沓形岬公園

旅情をそそる道しるべ。沓形港からは礼文島・香深行きのフェリーが出ている。利尻・礼文をいっぺんに訪れようとする観光客はこのフェリーで両島を行き来する。また,この航路のおかげで島の人たちの交流も盛んであり,礼文の人は休日になるとバスに乗るような気分で船に乗ってきて,利尻の人たちと遊んだりしている。
小樽まで222kmの表示があるが実際に平成5年までは北海商船フェリーによって沓形・香深(礼文)と小樽を結ぶ航路が設けられていた。小樽−沓形間の所要時間は9時間10分,夜9時に出航して翌朝6時10分に着くという夜行便だった。一度乗ってみたかったものである。
沓形岬は公園になっていてお土産屋やビジターセンターなどもある。写真はマリンハウスというお土産屋。海底探勝船も出ているが,島内の各所にでかでかと看板を出しており,何となく怪しげに感じられた。

 


日本コロムビアCD,2940円

時雨音羽詩碑。時雨音羽(1898-1980)というのは利尻出身の詩人である。名前の印象から女性だと思っていたが,おじさんだった。詩碑は「出船の港」のものであるが,この人はけっこう色っぽい歌も書いている。
例えば赤坂小梅の「ゆるしてネ」(作曲は江口夜詩,昭和10年3月,コロムビア)
♪たとえどのよに いわれよと 好きを嫌いと いえないわ
だからあの日の あの言葉 嘘じゃさらさら なかったの
ネエ ゆるしてね ネエ ゆるしてね

小梅さんというのは"黒田武士"や"おてもやん"など豪放な歌いぶりに特徴があり,上の絵のように見た目にもかっ幅が良い人である。しかし,この人に「ネエゆるしてね」などと色っぽく言われても困ってしまうし,妙な曲調とあいまって,非常に気味の悪い歌である。

利尻町森林公園

ここはHさんのおすすめスポットだった。利尻島唯一?の滝があり,沓形市街を見渡すことができる。

沓形は利尻町の中心市街地。街並みは整然としているが,これは昭和39年に沓形市街の大半を焼き尽くす大火が発生し,その後土地区画整理事業が行われたからであろう。利尻町の人口は約3000人,利尻富士町の人口は約3300人。町の勢力は拮抗しているが,どちらかというと沓形(利尻町)のほうに官庁や公共施設が集まっている。


利尻にもシュールな風景があった。古今東西の超有名キャラクターが顔を揃えている。


セイコーマート利尻沓形店。従来型の商店は汚くて賞味期限も切れたものも平気で置いてある。それに比べてコンビニは店もきれいで商品も新しい。しかしこれは離島でなくても事情は同じであろう。離島のコンビニはさらに他の店に比べて安いというメリットを持っている。全道・全国統一価格で商品を販売しているコンビニは,離島価格で販売している既存の店よりも安いのだ。これでは既存の店に勝ち目はない。既に2件のコンビニがある利尻では,礼文に比べて商店街に元気がないような気がした。礼文にあった中島商店のような店は利尻にはなかった。利尻の場合,漁業を兼業している店が多いということも商店街に活気がない原因の一つになっているようだ。

見返台園地

利尻富士の5合目で標高約430m。道は狭いが何とか大型観光バスも登ってこられる。ただ,この景色を見るためだけにガソリンをぼんぼん炊いて登るのももったいないなあという気がした。

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