青函旅行記

古牧温泉

結局今日は蟹田のコンビニで弁当を買ってから食料を調達する機会がなかった。その後は昨日札幌で買っておいた10個入りのチョコクロワッサンを少しずつ食べて空腹をしのぎ,最後には非常用のカロリーメイトにまで手をつけた。

三沢で約1時間半の待ち時間があるので,ようやくまともな食事ができそうである。


駅前の喜楽亭という食堂に入った。ラーメンとライスを頼んだが,安くてボリュームがありなかなか良かった。

 

古牧温泉

古牧温泉は祖父や祖母が旅行でよく行っていたので,昔から名前は聞いたことがあった。東北本線の車窓から見ても気になる存在であった。何でも「にっぽんの温泉100選」で10年連続1位なのだそうだ。草津や登別を差し置いての1位というのはどういうことなのだろうかと不思議に思っていた。


三沢駅から3分ほど歩くと北大門がある。

玄関をくぐると見えないところから「いらっしゃいませ」と厳粛な声が聞こえてきた。これはまずいところに来てしまったかと思ったが,声の聞こえてきたほうへ回り込んでみると,制服を着た警備員さんがいた。情緒も何もない。自動販売機で350円の入浴券を買って古牧元湯に入る。


古牧元湯。今では豪華なホテルが建ち並ぶ古牧温泉だが,ここは古くからの公衆浴場の雰囲気を残している。浴槽はたいへん広く,シャワーもたくさんある。温泉はかけ流しではないが,浮遊物があったので恐らく源泉そのままだろう。感じの良い施設だった。朝早くから夜遅くまでやっているし,また機会があればぜひ寄りたいところだ。

このほか,もう少しお金を払うと日本一の岩風呂や渋沢公園も日帰りで楽しめるらしい。外見の印象とは逆に,団体ツアー客だけではなく個人の日帰り客にも広く門戸を開放している太っ腹な施設のようだ。
結局,古牧温泉というのは社長さんが立派な考えを持った人で,施設・従業員全体に貫かれたサービス精神が高い評価を得ているらしい。

 

三沢20:42→八戸21:00

三沢から八戸までは21km。新幹線開業を目前に控えた八戸駅をちょっと見てこよう。

 

八戸駅


新駅舎がほぼ完成しており,あとは新幹線が来るのを待つばかりといった感じ。市の中心部から離れているので周辺は寂しいが,新幹線ができると変貌するのだろうか。21時過ぎだというのに駅弁屋がまだ営業していた。「八戸小唄」という何とも魅力的な名前の弁当を売っていたが,今は満腹なので買うわけに行かない。でもまあ新幹線開業で駅弁屋もしばらくは安泰だろうから,また買う機会があるだろう。

八戸21:20→青森22:58 東北本線普通列車

青森まで701系電車で移動。この電車は停車中ほとんど音がしないので,ホームに耳が痛くなるほどの静寂が漂っていた。


オールロングシートの701系電車は概して評判が悪いのだが,実はなかなか快適なのだ。シートの端に座るとちょうど頭をもたれるのによい袖壁があって眠りやすい。混んでいたらいたで東北弁の会話を聞くのも楽しいが,この時間ともなると1両に2,3人しか乗っておらず,シーンと静まり返った中を各駅停車で北上するのも旅情を感じる。

 

青森駅にて急行はまなすを見送る

結局ダイヤ改正後もこの風景は見られることになったが,青森駅で急行はまなすの発車風景を見ることも今回の旅行の1つの目的だった。

急行はまなすは盛岡からの特急はつかり25号と新潟からの特急いなほ9号を受けて23時8分に発車する。その乗り換え風景は独特の旅情がある。

5番線に急行はまなす,6番線に特急いなほ 特急はつかりから急行はまなすに乗り換える人たち


ホームではそば屋が営業しており,以前はわずかな乗り換え時間で立ち食いそばを食べる人で賑わっていたはず。この風景も見ておきたいと思ったが,23時で閉まってしまったようだ。

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