三陸初日の出の旅

2001年12月29日〜2002年1月2日

温泉に入りながら樹氷,初詣,初日の出を体験。冬のあったか東北紀行。

この1年くらい,旅行に行くときは毎回「今回が最後だ」と思ってきた。働いたら旅行する時間もないだろうから,あとは定年を迎えるまで何十年かは辛抱しなければならないものだと思っていた。
しかし,案外行こうと思えば行けるものである。仕事は本来1月4日から出なければならないのだが,運良く休むことができたので,土日とあわせて9連休を取ることができた。

それでも当初は本業以外にいろいろ仕事を抱えているので,年末年始は旅行など行かずに,前半はたまった仕事を片付け,後半で実家に帰省するつもりだった。この時期どこに行くにも高くつくということもあった。
ふとしたきっかけで旅行に出ようと思い立ったのは,12月16日のことである。

さっそく本屋に時刻表を買いに走り,時刻表とのにらめっこが始まった。すると巻頭に「初詣列車のご案内」というのがあった。いままで気にしたこともなかったが,大晦日から元旦にかけて全国各地で夜通し列車が走っている。これは面白そうだ。私は初日の出を見たことがないし,初詣もろくに行ったことがない。できれば新年は実家で家族みんなそろって迎えたいと思っているが,考えてみればこの10何年かは「北の大文字」というイベントがあるために家族みんなそろって新年を迎えたことはない。それに去年は実験のため元旦も大学に缶詰状態で帰省できなかった。それを思えば,旅行に行って何かおいしい土産でも買って帰れば許してもらえるのではないかと思い,めったにない機会でもあるので,勇気を出して旅に出ることにした。

この時期,飛行機はめちゃめちゃ高いので,列車か船での移動となる。そうすると行ける範囲は東北までだ。時刻表を見ると「夢絵巻開運義経号」と「初日の出釜石号」という臨時列車が運行されることになっており,中尊寺で新年を迎えて,三陸で初日の出を拝むことができるダイヤが組まれていることがわかった。
とりあえずこの2つの列車に乗ることにして,苫小牧から仙台までフェリーに乗ることと2日目は山形に泊まるということだけ決め,あとは特に予定を決めずに出発した。

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