北海観光節旅行記旅ならば東北

大曲全国花火競技大会 その1

盛岡13:36発→大曲14:47着 秋田新幹線こまち221号

臨時の大曲行き新幹線は在来線ホームから発車。わたしは当然のごとく新幹線ホームで待っており,放送でこのことを知って9番ホームに走った。かなりあせった。

この指定券を取るのに初めてプッシュホン予約を利用した。これはかなり便利なものである。今回の旅行の計画を立てた時点で既に大曲行きの新幹線は満席になっていたが,サイバーステーションをまめにチェックしているとキャンセルがあるのか空席が出ることがある。そこですかさずプッシュホンで予約すれば確実に指定席が確保できるのである。往復ともこの方法で指定席を確保した。

予約してから8日以内に駅で予約番号を告げて購入することとなっているのだが,わたしは上富良野駅での購入を試みた。上富良野駅の駅員さんは非常に若い女性の方なのだが,プッシュホン予約での発券は初めてだったようで,マルスの操作マニュアルを取り出し電話でどこかに聞きながら悪戦苦闘すること30分,めでたく発券された。当然こういう事態は想定されたので,列車の来ない時間帯を選んでわたしも十分に時間に余裕を持って訪れたのだが,申し訳ないことをしたと思っている。妹にも上富良野駅でそういう難しい切符を買おうとするのが間違っていると怒られた。

ともあれ,苦心して新幹線の指定席を確保したおかげで安心して大曲へ向かうことができる。

大曲到着。

臨時改札が設置されていた。

天気予報どおりの雨である。傘も持っていたが,今日は長期戦になるし会場では地面に座らなければならないので,格好のことは気にせず,昨日コンビニで買った上下の白い雨具を身にまとった。

 

花火ならば大曲

大曲全国花火競技大会は今年で77回目を迎え,格としては誰もが認める日本一の花火大会である。観客は60万人を数えるという。これだけの花火大会であればホームページで観覧ガイドなどを作成している人がいそうなものであるが,なかなか適切なガイドがないのである。あったとしても,だいたいは桟敷席で見るということを主眼に解説されており,一般の土手で見物する場合のノウハウは掲載されていない。主催者側としても年々増え続ける観客に困惑しているようだ。
今日の観覧では花火自体の魅力さることながら,まず大曲全国花火競技大会とはどういうものなのかを体験してみたいと思っている。不安を抱きつつ会場へ向けて出発する。

駅から会場までは約2km。人があふれかえり,マイカーはもちろんバスやタクシーが走れる状況ではないので歩くのがいちばん早い。会場までの経路は「りんご」,「バナナ」,「メロン」の3通りがあり,事前調査で最も混雑しないと予測された北側の「りんご」コースをとることにする。

 
市街地は車を完全に締め出し。丸子川の土手にはキャンプを張っている人もいた。

  

しかし,話に聞いていたよりはずっと人が少ない。

駅から約20分で順調に会場に到着。

会場全景。人が多いのは確かだが,観覧場はがら空きと言って過言ではないほどで,難なく座るスペースを見つけることができた。花火観覧案内のWebサイトでは当日午後に行っても座る場所がないとかずいぶん大げさなことが書いてあったので,最悪立見も覚悟したのだが,ぜんぜんである。そりゃ10人とか20人でやってきてブルーシートを広げて宴会をやりたいというのなら話は別だが,一人や家族連れ程度なら何とでもなる。

雨の中しばらく待つ。以前一人で花火大会を見にきて寂しい思いをしたことがあったが,この大会の場合には一人で見ていてもそれほど寂しい気はしない。場内放送で「新庄市からお越しの・・・,」とか「花泉町からお越しの・・・」とか東北各地の地名が聞こえてきて,自分がいま東北にいるんだということを実感する。なんだか変な感覚である。こんな雨の中でもトランプゲームをするグループがいた。そんなに頑張ってまでゲームをしなければ暇をつぶせないと言うのも悲しい。会場を流れる音楽は誰が選曲したのかカヒミ・カリィの東京キッドなどマニアな歌が流れていた。

わたしがいちばん不安に思っていたのがトイレである。観覧案内のWebサイトによれば会場のトイレは30分待ちを覚悟しなければならないというし,いったん座ってしまうと席を立つのが困難になると予想されたからだ。15時に会場へ着いて列車に乗る23時ごろまでトイレに行かなくて持つだろうか。いちおう昼食後,水分は取らないようにしていたが,この雨の中でカッバを着ていれぱ体表からの蒸発量も少なく,そんなに持つはずはない。しかし,この程度の人出なのでまったく問題なくトイレに行くことができた。

 

17:00 昼花火の部開始

打ち上げ開始とともに狙い撃ちしたかのように雨が降り出す。バケツをひっくり返したような激しい雨である。それでも花火は上がる。

昼花火はいまでは大曲でしか見られなくなったというが,昔は花火通の粋人が好む花火だったそうだ。しかし正直言ってあまり見栄えがしなかった。色煙で趣向を凝らしているものもあったが,夜の花火をただ昼間に打ち上げているようなやる気の感じられないものもあった。昼花火は夜花火までの間を持たせるための刺身のつま的存在なのだろう。


対岸の山が見えなくなるほどの大雨。

雨のためか27の花火が次々と打ち上げられ,予定より早く終わってしまった。

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