もう二度と乗りたくないと思っていた夜行バスだが,今回の旅行では札幌までの往復にバスを使うことにした。その理由は一に費用の問題である。JRで往復すると15800円,バスなら往復10200円。この差は大きい。
本日は金曜の夜ということで,2台体制で出発した。
以前乗ったときは狩勝峠経由だったが,今日は日勝峠経由だという。いずれにしても車内は遮光カーテンで密閉されるので,どこを走っているのかはまったくわからない。
ひたすら北東北を目指して南下。
座席にはJR北海道の車内情報誌が備え付けてあったが,車内販売は東日本系だった。北海道の車内販売はツインクルレディが行っているので,どちらかというとスチュワーデス風であるが,JR東日本の車内販売は売り子そのもので,その物腰の柔らかな売り声には妙に懐かしさを覚えた。
この特急は竜飛海底駅に停車する。海底駅で降りる客は2号車から下車するよう案内されていた。
青森から奥羽本線の普通列車に乗り継ぐ。桜の時期だけあって,車内は行楽客で混雑していた。
浪岡駅到着。
浪岡駅前温泉
今回の旅行で最初で最後になるかもしれない温泉である。この温泉は良かった。浴槽は源泉かけ流しで,大きな獅子の口から湯が注ぎ込まれていた。お湯の色は黒く,アルカリ性だが飲んでも苦くはなかった。
浪岡町は元小結浪之花の出身地。人口20000人を要し駅には特急も停車するが,駅前は意外に寂しかった。
いまや日本でいちばん人気のあるローカル線ともいわれる五能線。リゾートしらかみがほぼ通年運行しており,鉄道ファンのみならず一般の行楽客にもすっかりおなじみの列車となっているようである。人気に応えてこの4月には第2編成が登場した。
今日乗るのは従来の編成で,1997年12月以来5年ぶりの乗車である。
五所川原
五所川原に降り立つのは3度目である。列車の待ち合わせ時間が約30分あるので駅前を散策してみる。
「パチ佞武多」。五所川原の名物といえば立佞武多(たちねぶた)。高さ20メートル以上にもなる巨大なねぶたである。街路の電線が障害となって大正時代に姿を消したが,平成8年に復活した。 それにしても「パチ佞武多」とは絶妙なネーミングだ。 |
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小関書店は本日休業。五所川原に来たらこの書店を訪れるのが密かな楽しみだったのだが。めったにお目にかかれないパイロット社のルーズリーフを売っているのだ。 | |
弘南バスターミナル。外観も趣があったが,中はもっとすごかった。奥の売店は昭和30年代を通り越して昭和20年代の雰囲気そのままではないか。五所川原から津軽鉄道の沿線にかけては,まったく時間を何十年かさかのぼったような光景が展開する。 |