北海観光節旅行記北東北観桜紀行

芦野公園

北東北観桜紀行,まず最初の桜は芦野公園である。芦野公園は五所川原から津軽鉄道で約30分のところにある。

津軽鉄道に乗るのは1997年12月以来2度目である。


JRの五所川原駅のとなりにある津軽鉄道・津軽五所川原駅。

津軽五所川原15:39発→金木16:03着 津軽鉄道 津軽中里行き普通列車

金木までは記念乗車券を3枚つなぎ合わせて乗車する。花見客で混雑しているのではないかと心配していたが,そんな心配は無用だったようで,静かに津軽鉄道の旅が始まった。

金木駅

山の雪どけ 花咲く頃はよ かあちゃんやけによ そわそわするね
いつもじょんがら 大きな声で 親父うたって 汽車から降りる
お岩木山よ 見えたか親父

作詞・作曲・歌:吉幾三「津軽平野」より

金木町は吉幾三の出身地である。


駅構内にはしんご君号が展示されていた。中に入ることもできた。

 

金木駅の駅舎は昭和35年の建築。このたび建て替えることになったとのチラシが駅に置いてあった。5月24日,25日にはお別れイベントが開催される。その概要は次のとおり。

  ○金木駅旧駅舎最後の一般公開
  ○さようなら金木駅記念乗車券発売
  ○キハ22形レトロ気動車の復活営業運転
  ○ストーブ列車,ナハフ1200形客車,無蓋貨車の金木駅表敬訪問
  ○金木駅食堂の臨時営業と特別メニュー

一つの駅の建て替えのためにこれほど多彩なイベントが催されることがこれまであっただろうか。津軽鉄道には何十年か前にさかのぼったような昔そのままの風景が残っているが,それは単に放置されて残っているのではなく,地元の人たちが古いものに愛着を感じて残しているのではないかという気がした。

斜陽館

金木駅から徒歩5分で斜陽館に着く。前回訪問時にはちょうど旅館から記念館への改装工事中で中に入れなかったのだが,また来ることができて良かった。

ここは太宰治の生家であり,太宰の父は大地主だったというだけあって,大変立派な建物である。外観以上に内部は奥行きがあり,蔵や庭園もある。向かいには新しい物産館ができていた。

ここから芦野公園まで歩く。芦野公園まで約1.5km。

芦野公園

 

日本のさくらの名所100選・芦野公園。さくらまつりは明日から開催とのことで,出店の準備が進んでいた。桜は若干早めだった。


芦野公園駅。この風景を見に来たのである。良い感じだ。

さくらと私 その1   「花見」

花見は子どもの頃から何度か経験しているが,そこには桜がないのが当たり前だった。北海道では5月になると花見と称して公園にブルーシートを敷いてジンギスカンをやるのが定番だが,うちの町で花見の会場となる島津公園には桜がなかったのだ。
桜の下でジンギスカンをやったのは大学1年のとき,サークルで北海道神宮に行ったのが最初で最後である。しかし今となっては憶えているのはジンギスカンのことばかり。道外出身者の多いサークルだったから,みなジンギスカンの食べ方に四苦八苦していたのが楽しい思い出だ。このときになってようやく「花より団子」という言葉の意味を実感した。
純粋に観る桜のほうは昭和62年に家族で松前公園に行き,翌年は静内に行った。その後しばらく桜を見ることはなかったが,昨年友人と根室の清隆寺に日本一遅い花見に行った。
いずれにしても私にとって桜はあまりなじみのある花ではなかった。

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