北海観光節旅行記映画・京極・流氷 北海道全駅下車の旅

阿寒パノラマコース


12時43分,美幌駅着。

 

阿寒パノラマコース シャトル2便

一度乗ってみたかった阿寒バスの「阿寒パノラマコース」。乗り場がわからず,駅の観光案内所で聞き,バスターミナルに行ってまた聞いた。乗り換え時間が7分だったので危なかったが,乗り場は駅を出てすぐ左手にあった。


バスターミナルではきれいな写真入りの乗車券を売ってくれた。川湯温泉まで2000円。1時間45分の小旅行である。

 
美幌駅から町の外れまで地元のおばさんが1人乗っていたほかは,乗客はわたし1人だけだった。車内ではテープで観光案内が流れていたが,季節の話題,時事ネタがなく,本物のバスガイドに比べるとやはり物足りない。

美幌峠

 
このバスは,路線バスと定期観光バスを折衷したようなバスで,要所で観光時間を設けている。美幌峠では15分間の停車。

美幌峠は昭和62年8月15日以来の訪問である。前回は早朝に訪れ日の出を見ることができたが,今日は激しく吹雪いている。展望台への道も完全に埋まっている。屈斜路湖の展望は絵葉書などで見ることができるし実際に一度見れば十分なものなので,かえって吹雪いていたほうが旅としては思い出に残ってよいだろう。レストハウスが建て替えられて道の駅となったが,峠の雰囲気は16年前とそれほど変わっていないようだ。


13時55分,屈斜路プリンスホテル通過。バスは玄関前につけるが乗降客なし。


14時ちょうど,和琴半島通過。ここも乗降客なし。

 

砂湯


14時15分から10分間停車。屈斜路湖半では最も活気ある観光地で,冬でも団体客が立ち寄る。

 
このあたりは地熱があり,砂を掘ればお湯が出てくる。屈斜路湖も湖岸だけ結氷せず,水鳥が集まっている。白鳥さんがエサを欲しそうにしていた。今日はお客さんが少ないのであまりあたらないのだろう。

 
お土産屋前の「元祖砂湯クッシー」。クッシーは屈斜路湖に潜むといわれている怪獣で,1973年以来何度か目撃されている。


14時35分川湯温泉バスターミナル到着。

阿寒パノラマコースはこのほか,硫黄山や摩周湖第1展望台を経て阿寒湖へ至るコースも運行されている。個人で阿寒国立公園内を観光するには唯一の公共交通機関なので,なんとか今後も存続してほしいし,道東を鉄道で旅行される方はぜひともこのバスを利用していただきたい。

 

川湯温泉

川湯温泉は昭和61年8月に川湯プリンスホテル,同62年8月にホテル華の湯に宿泊したことがある。どちらのホテルも廃業してしまったのは寂しいが,一昨年4月に釧路に引っ越して以来,何度となく日帰り入浴で来ている。

温泉の泉質が抜群に良いのである。泉質はpH=2以下という強酸性の硫黄泉・硫酸塩泉で,風水によれば金運,恋愛運,仕事運,人間関係運,健康運の運気が含まれているという。入って良し,飲んで良し,そしてただ泉質が良いというだけではなく,温泉街や温泉旅館にはもう一つ付加価値のついたような温泉情緒があり,心の面でもいやされる。体の外側,内側,そして心の面という三位一体で温泉の気が体にしみわたり,多少の悪いものは吹き飛んでしまう。

 
川湯温泉街。北海道でも数少ない「歩く」ことのできる温泉街を持っている。温泉街には温泉の川が何本も流れ,街全体が温泉の香りに包まれる。温泉旅館も独自の源泉を持っており,水で割っている他の温泉地とは一線を画す。現状の川湯温泉はやや地味な印象であるが,本物の温泉が求められている昨今,川湯温泉が注目されることは間違いなく,2,3年後には今と見違える温泉街になっているのではないかと予感する。


2002年夏にできた足湯。

 

ホテルニュー湯の閣

川湯温泉で次のバスまで1時間15分の待ち時間があるので温泉に入る。川湯の温泉旅館の風呂にはひととおり入ったことがあるので,今日はいちばん良いところに入ろうと思う。川湯でいちばん良いと思うのは,御園ホテルとニュー湯の閣で,両者は甲乙つけがたい。点数をつければ,御園ホテルは内風呂5点+露天風呂5点,ニュー湯の閣は内風呂3点+露天風呂7点で同点といったところか。ニュー湯の閣は露天風呂が離れたところにあるのが難点で,これが同じところにあればニュー湯の閣のほうが上に来るか。しかし御園ホテルの貫禄ある内風呂も捨てがたい。

 
ホテルニュー湯の閣は収容人数399人,川湯では御園ホテルに次ぐ規模の大型温泉旅館である。日帰入浴料金は840円で川湯でいちばん高い。温泉街の外れにあって,車だと気にならなかったが,バスターミナルから歩くと10分かかった。露天風呂へは長い通路を通って行く。


これが有名な大露天風呂。混浴であるが,いつも一人でしか入ったことがない。あまりにも気持ちが良いので,バス時間ぎりぎりまでずっと浸かっていた。

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