北海観光節旅行記東京クリスマス

靖国神社

2004年12月24日(金)


お江戸日本橋から今日の旅は出発である。


九段下駅にて。今日は平日金曜日。出勤ご苦労様。

九段坂

やさしかった 兄さんが 田舎の話を 聞きたいと
桜の下で さぞかし待つだろ おっ母さん
あれが あれが 九段坂
逢ったら泣くでしょ 兄さんも
作詞:野村俊夫 作曲:船村徹 歌:島倉千代子「東京だよおっ母さん」より

第一鳥居

拝んで行こうね おっかさん 靖国神社だ あの鳥居
東京見物させるといった やさしい兄貴が 戦友たちと 眠っているんだ
逢ってゆこう
作詞:伊吹とおる 作曲:佐伯としお 歌:三橋美智也「東京見物」より

ついに靖国神社へやってきた。中途半端な気持ちで参拝すべきではないと,これまであえて避けてきたのだが,もうそろそろ一度参拝をしてもよいような気がしてきた。ここには大叔父が眠っている。曾祖母や祖父は何度も参拝に来ているはずだ。

両手あわせて ひざまづき おがむはずみの お念仏
はっと気づいて うろたえました せがれゆるせよ 田舎もの
作詞:石松秋二 作曲:能代八郎 歌:塩まさる「九段の母」より

捧げ物 参集所

遊就館

神社の境内にある軍事博物館だが,ここは見学するのをやめた。見学するのを大叔父はきっと喜ばないと思ったからである。それに,誰もいない軍事博物館を一人で見学するのは怖い。

博物館のホームページを見ると「今,蘇る日本近代史の真実」「戦争を知らない世代に伝えたいこの感動・・・」などと宣伝している。戦争を全面的に肯定している施設のようなのだ。たしかに東洋平和のためと戦って死んでいった人たちを弔うには戦争を肯定することが必要かもしれない。しかし,大叔父も腹の底では戦争に反対していたと思うのだ。

詳しいことは知らないが,大叔父は所沢の陸軍航空士官学校を出ている。将校となって帰省したとき,軍服姿が非常に格好良く,それを見て憧れた大叔父の弟は「俺も士官学校を受験したい」と兄に相談した。すると普段無口だった大叔父が「こんな馬鹿げたことはない」と猛烈に反対したという。

大叔父はその後,南支,マライ,シンガポールと移り,最後はフイリピンで終戦まであと2か月ということろで戦死した。敵はアメリカではなく熱病と飢えだったというように聞いている。


相撲場

神池庭園

母の像

ご無事のおかえり 待ちますと
言えばあなたは 雄々しくも
今度逢う日は 来年四月
靖国神社の 花の下
作詞:深草三郎 作曲:明本京静 歌:音丸「皇国の母」より

 

境内には各部隊の生存者が戦友たちのために奉納した桜がたくさん植えられていた。ただ手を合わせて霊を慰めるのみである。

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