北海観光節旅行記めざせ奥州,汽車旅千里

手向

2003年12月29日(月)

昔,羽黒山という横綱がいた。双葉山の陰に隠れてあまり目立たなかったが,いかにも頑丈な体で横綱を38歳まで12年間も務めた。大変な人格者であったとも聞く。わたしは武蔵丸に羽黒山に共通する強さを見て初土俵以来ずっと応援していたのだが,この11月場所で引退した。今年起こった寂しい出来事の一つである。

今日は以前から参詣したいと思っていた羽黒山を訪れる。


酒田東急インは税込み4725円の安宿だったが,部屋からの眺めも良く,まったく問題なかった。わずか7時間の滞在でもったいないが,昨日買ったパンを朝食としてホテルをあとにする。


酒田駅。雨降り止まず。今朝の天気予報では庄内地方の降水確率は午前,午後とも90%。予想最高気温は9℃。ぴりっとひきしまった冬景色を期待していたのだが望めそうにない。

酒田7:01発→鶴岡7:38着 羽越本線村上行普通列車


キハ40新新潟色+キハ47新潟色+キハ40盛岡色というカラフルな編成だった。北海道にはないキハ47に乗車する。羽越本線は電化されているが,酒田・村上間の普通列車はすべて気動車で運転されている。ちょうど青森行きの特急日本海が到着し,ホームで駅弁を立ち売りしていた。朝早くからご苦労様。

鶴岡駅前7:52発→黄金堂8:25頃着 庄内交通羽黒山頂行


観光客風の人と仕事風の人とわたしの3名が乗り込む。


鶴岡市街のバス停からは商売人が乗り込んで「山頂までお願いしま〜す」と言ってネギとかダイコンの箱を積んでいった。


駅を出て約30分で出羽三山神社大鳥居が見えた。観光客風の人はここで降りた。


わたしは黄金堂で下車。

正善院黄金堂


国指定重要文化財。桃山時代の建築という。


山門に奉納された行者の草鞋を見て,前途の無事を祈る。


黄金堂から先,手向(とうげ)の宿坊街に入る。


それぞれ家の屋根には写真のようなものが吊り下げられており,不気味であった。

 
神社も店も板で覆われていた。そんなに冬が厳しいのだろうか。


ゆっくり歩いて20分ほどで羽黒山表参道入口に着いた。

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