北海観光節旅行記めざせ奥州,汽車旅千里

赤湯温泉

今晩は新潟県村上発の夜行列車ムーンライトえちごを宿とする。それまで時間があるのでいったん内陸に入り,前々から一度行ってみたいと思っていた赤湯温泉を訪れることにした。

鶴岡12:32発→余目12:50着 羽越本線酒田行普通列車


鶴岡駅の売店では酒田のササニシキ弁当を売っていたが,夏の旅行で一度食べたことはあるし,贅沢はいけないと思って380円の弁当にした。

余目駅では乗り換えの列車を待っている間,激しい時雨となった。雷鳴轟き,屋根の下にいても雨が降りかかる。出羽三山神社の参拝中に降られなかったのは幸運だった。

余目13:00発→新庄13:45着 陸羽西線新庄行普通列車

 
陸羽西線の車両は,椅子を外に向かって斜めにすることのできる珍しいものだった。


新庄駅到着。何度となく来ている新庄だが,そんなに長く滞在したことはない。今日は列車の乗り換え時間が50分ほどあったので物産館をのぞいてみる。手ごろな漬物の詰め合わせがあったので,実家に地方発送する。

新庄14:33発→赤湯16:28着 奥羽本線米沢行普通列車


約2時間の乗車。新庄を発車したときには空席があったが,途中から混み出した。


雪がうっすらと積もってはいたが,雨でどんどん融かされていく。


赤湯到着。


激しい雨が降り続いている。赤湯駅の屋根は鉄板一枚なので,雨の音が駅舎内にザーザーと響き渡り凄まじい。雨よ降ってくれるな。止んでくれ。


待つこと15分。ようやく何とか歩けるくらいの小降りになったので,赤湯温泉に向かって歩き出す。温泉街まで駅から1.5km。

龍上海赤湯本店


全国的に有名なラーメン屋である。行列が絶えないというが,今日は割りと空いていた。しかし店内にはわたしと年齢差±2歳くらいの男ばかり7人が黙々とラーメンを食べており,異様な雰囲気だった。赤湯からみそラーメン700円。激辛ではなくて単なる辛みそだが,めったやたらとうまい。わたしはラーメンのスープはいつもあまり飲まないが,今日は大半を飲み干してしまった。

烏帽子の湯

赤湯温泉には5軒の共同浴場があり,いずれも入浴料100円。この中で烏帽子の湯だけが他とは別の源泉を持っているということで,いちばん人気があるらしい。この時間ならそんなに混んでいないだろうと思って行ってみた。


6時少し前という夕食時だったが,結構混んでいた。お湯は素直な単純泉である。かけ流しだが,皆浴槽の周りにどっかり座って風呂からお湯を汲んで体を流しているので,浴槽からお湯がなくなるのではと心配になるほどだった。共同浴場にしては珍しく,シャワーもあったが,わたしがいる間ずっとシャワーで体を洗っている人がいた。そんなにむきになって洗わなくても,温泉に5分も浸かれば体はきれいになるだろうに。温泉と違ってシャワーの湯は沸かさなければならないから施設にも負担をかけるだろうし,けしからん人である。
男鹿の萬世閣もそうだったがここでも爺さん,息子さん,お孫さんの3世代で入浴している家族連れがいた。良い温泉には幅広い年層の人が集うものである。

風呂から上がると,爺さんたちが会話をしていた。

「今の嫁は何もしない。日曜も何もしない。こないだやっと掃除機かけた」

「いんだいんだ。今はそういう時代だ。」

爺さんたちはおおらかである。

赤湯18:31発→今泉18:52着 山形鉄道フラワー長井線荒砥行

 
今泉駅にて。

山形鉄道はJR長井線から転換した三セク線である。赤湯駅では改札も何もなく不案内だった。車内の電灯が薄暗く気持ち悪い。今泉駅は米坂線の乗換駅だが,下車した人は少なかった。

今泉19:00発→新発田20:53着 新潟行快速べにばな3号


奥羽本線,東北本線方面からムーンライトえちごに連絡する列車で,今回で3回目の利用である。車内にも見るからにムーンライトえちごに乗り継ぐ雰囲気の人が何人かいた。


新発田駅。改札とホームの間には戸がなく寒々しい。それが南までやって来たという証拠でもある。

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