北海観光節旅行記めざせ奥州,汽車旅千里

明治神宮

東京1:08発→代々木1:28頃着 東北本線・中央本線高尾行普通列車

東京ミレナリオ見物に1時間以上かかってしまった。

さて,新年を迎えれば次は初詣である。東京で初詣するならばどこか。やはり明治神宮であろう。初詣の参拝客数日本一を誇る明治神宮には,日本人であるからには一度行っておかねばならない。

水道橋から女性の大群が乗車してきた。調べてみると東京ドームでKinKi Kidsのコンサートが行われていたようだが,その割には年齢層が高めだったように思う。

相当の混雑が予想されるので,原宿ではなくて代々木駅で降りて,北参道を行くことにした。明治神宮は以前原宿から歩いて参拝したことが一度ある。


北参道入り口。

 

かがり火。今日はそれほど寒くない。


北参道は人もまばらで楽々と進む。


ところが,南参道との合流点で動きは止まった。ただいまの時刻1時58分。


鳥居をくぐる。正面に大型テレビが見えている。

風水によれば一の鳥居をくぐったらS字を描くようにして蛇行して歩くべし,二の鳥居をくぐったら道の中心より3歩左側をまっすぐ進む,三の鳥居からはS字歩行などと指南されているが,この人出ではとても実行できそうにない。


先ほどの鳥居の場所からテレビの前に至るまで33分を要した。

今年の正月三が日での明治神宮の参拝者数は290万人だったそうである。昨年は全国7位の大宰府天満宮(202万人)にほぼ同じ時刻に参拝したわけだが,大宰府とは比べ物にならないくらい混んでいる。


楼門が見えてきた。

わたしは4時15分に上野駅から汽車に乗らなければならない。東京では3つくらい神社を詣でようと思っていて,余裕持っていちばん先に明治神宮に来たつもりだったが,これではあとの2つの神社を詣でるどころか,上野発の汽車に乗れるかどうかも怪しくなってきた。しかし,もう後戻りするわけにもいかない。ただ間に合うことを祈るのみである。


行列は何百人か単位に区切られ,プラカードを掲げた警備員が先導する。しかしこれだけ混雑していながら,隣の人との距離が保たれており,人とぶつかることがないというのはさすが東京である。北海道の田舎であれば,とにかくみんなで押せば前に進むものと思っているから,たちまち将棋倒しになってしまうことだろう。


先ほどのボーイスカウトはかがり火に当たっていたが,こちらは半袖でじっと立っていた。足は震え,手を後ろに組んで鼻水も拭けないから大変だ。


楼門から後ろを振り返る。

恐らく,なぜこのような人ごみの中でわざわざ参拝しなければならないのかと呆れる人もいると思う。外国人にとっても日本人のこの行動は不思議に映るらしい。ドナルド・キーン氏は『果てしなく美しい日本』の中で,このように考察している。

「日本人が元旦に明治神宮や皇居を訪れるのは,恐らく敬虔の思いや愛国心からではなく,自分自身,願わくば記録破りの大群衆の一部になりたいと考えるからなのであろう。」

たしかに参拝客の中に敬虔な神道の信者と思われる人はいなく,9割方は若い男女の2人連れだった。わたし自身のことについて言えば,わたしは日常生活では仕事以外に人との関わりがほとんどない。したがって,初詣や祭りのときになどに,こうして群衆の中に身を置いて,自分が日本人の一員であるということを確かめざるを得ないのである。


ついに本殿の前までやって来た。北参道入り口からここまで1時間15分。

プールのような巨大な賽銭箱にお賽銭を投げ入れ参拝する。


参道で入場制限を行っているため,楼門の内側にはゆとりがあった。


お土産屋

絵馬記入所

おみくじ

明治神宮の御守ではどうも値がないので,何も買わずに出てきた。

さて,戻ろう。上野の発車発車時刻までもう1時間を切っている。

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