北海観光節旅行記29歳の北東北

葛巻市街

葛巻いうとエネルギーの街として全国的な知名度があり,どちらかというと北海道の山村のような,あっけらかんとした現代風の街並みが存在しているのではないかと予想していたが,実際はまったく違った。

葛巻駅に降り立つと,まず間口が2間しかない店が並ぶ路地が目に入った。何となく東京に来たような錯覚に陥った。そういえば,岩泉でも同じように東京にいるかのような錯覚に陥ったことがある。

駅の向かいには食堂が数軒元気に営業していた。ちょうど葛巻でお昼時となるので,事前にガイドブックやホームページで葛巻の飲食店情報を調べておいたのだが,江刈川のドライブインが何軒か紹介されていたものの,葛巻市街の店は皆無だった。ところは実際は,駅前に貫禄たっぷりの食堂が何軒もあるのである。こういう食堂こそ紹介してほしいものだ。

 

昔の暮らし展示館。何かの庁舎の跡だと思う。

 

紅葉がまた素晴らしい。

葛巻市街は国道沿いに約2kmにわたって細長く商店街が続く。

 

商店街では「TMOくずまき」によって,中心市街地活性化法に基づく事業が実施されており,街路灯の整備や空き店舗を利用した無料休憩所の設置が進められている。

昨年の大晦日に富山県の福光の街で全部の店が営業しているのを見て感動したが,葛巻もそれに近いものがある。

商店街は貫禄十分。昭和50年代後半の小売店全盛期の姿が,この町ではまだ現に残っている。いまや日曜日に地方都市を歩くと,ほとんどの店がシャッターを閉めておりゴーストタウンと見間違わんばかりだが,葛巻ではほとんどの店が営業していた。個人経営の店で日曜日に営業することが好ましいことなのかどうかはわからないが,ともかく商店街が元気に見えるのはよいことだ。

 

既存の商店はローソンやヤマザキデイリーストアなどのコンビニとも共存を図っているように見えた。一方で,ローソンには腰の曲がったおばあちゃん方が何人か買い物に来ており,入口には年賀状ではなく「欠礼印刷」承り中の貼り紙がされてるなど,過疎化の厳しい現実も見た気がした。

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