北海観光節旅行記九州吹雪

旅立ち

2007年12月28日(金)

トラブルは年々増えるばかりである。もちろんできて当たり前のことができていない自分も悪いが,世の中少しずつおかしくなってきて,そのひずみがあちらこちらで破裂しているような気がする。恒例の年末年始の旅行も,今年ほど旅立つのがためらわれたことはなかったが,やはり行かなければならないと思ったのはクリスマスを迎えたときだった。

一昨年,札幌,小樽,函館のクリスマスツリーの名所を集中的に巡ったのだが,今年はそれらのクリスマスツリーの多くがなくなってしまったのである。あのとき予感していたことがもはや現実となった。世の中は予想を上回る早さで我々への制約を増してきている。恐らく,九州旅行もこの機を逃せばもう次はないに違いない。

仕事納めのこの日,「忙しいとは『心を亡くす』と書く。年末年始はしっかり休んで心を新たにしてほしい」との挨拶があった。そうだ,いまは行こうと思えば行けるのである。ともかく出発しようと心に決めた。

札幌22:00発→青森5:35着 急行はまなす

帰省の人たちで賑わう札幌駅5番ホーム。急行はまなすは寝台車を3両連結した堂々の12両編成だった。

もちろんわたしは寝台には乗らず,格安のドリームカーを選んだ。

特急宗谷の接続待ちで15分遅れで発車。旅立ちの高揚感などまったくなく,後ろ髪を引かれる思いで闇の中を行く。

遅れは函館で回復し,青森には定時で到着した。

2007年12月29日(土)

青森到着。まだ闇は深い。

いつの間にかホームの蕎麦屋が「そば処八甲田」に名を変えていた。かつては1・2番ホームが「こけし亭」,3・4番ホームが「men shop」と名乗っていて,特にmen shopのほうは若者の利用が多かったのだが,渋い雰囲気に変わってお客の年齢層もかなり上がってしまったようだ。

青森5:52発→八戸6:48着 特急つがる2号

雨降りの闇をひた走る。多くの乗客にとってこの列車は里帰りの列車のようである。後ろの席の女性は何となくほっとした雰囲気で東北弁を話していた。「臨職」と言っていたから,札幌のどこかの役所でアルバイトしているのだろう。ふるさとに帰ってきて,自然と地元の言葉が出てきたようだ。

新幹線への乗り換え客で混雑する八戸駅では,自動改札機を使用停止にして,そのまま改札を通させていた。

八戸6:55発→東京9:51着 東北新幹線はやて2号

新幹線の車内は,大きな荷物を持った家族連れで賑わっていた。

札幌を出発してから半日足らずであっという間に東京到着だ。東北新幹線から東海道新幹線に乗り継ぐための乗り換え口は,昔ながらの有人改札だった。

東京9:56着→小田原10:32着 東海道新幹線こだま537号

この各駅停車の新大阪行き「こだま」は,指定席が満席とのことだったが,自由席はがら空きだった。

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