高田本山駅に戻ってきた。この時間にこの場所にいるということは,初詣は自ずと伊勢神宮に決まる。伊勢神宮参拝は1999年以来10年ぶりである。
JRにこだわるなら,津で参宮線直通の臨時快速に乗り換えるという手もあるが,お伊勢参りはむしろ近鉄で行くのが素直だろう。
先ほど津駅で購入しておいた「伊勢神宮初詣割引きっぷ」に車内で改札を受けた。
高田本山から1駅目の江戸橋駅で急行電車に乗り換える。
伊勢市までは1時間弱の移動である。
前のボックス席には3人連れの青年が乗っていた。そのうち1人は東京で働いており,久々に里帰りして旧友と初詣に向かうところらしい。地元に残った青年2人は東京に出た青年に,合コンのことを興味深そうに聞いていた。
その青年は24歳だというが,年上に好かれるらしく,今は36歳のOLとつき合っているという。元の彼女も8歳上だったというが,さすがに12歳上というのはキツイものがあると言っていた。しかし,友人の2人はすごいすごいと,感心しきりだった。
1時5分,松坂駅を発車すると,車掌から「みなさま新年あけましておめでとうございます。今年も近鉄をよろしくお願いします」と放送があった。
伊勢市駅到着。基本に従って,外宮,内宮の順に参拝する。
参拝客で賑わう駅前。
外宮までは神宮参道を歩いて約10分。
出店もあった。
神宮に近づくにしたがって「春の海」が聞こえてきた。それも安っぽいスピーカーから大音量で流れている。
これまで,いくつかの神社で初詣をしてきた経験では,テープで越天楽や春の海を流すのは地方の小さな神社であって,格の高い神社では音楽などなくシーンとしているものである。
まさか,伊勢神宮が春の海をテープで流すのかと耳を疑ったが,実はこれは神宮とはまったく関係なく,タクシーの会社が流しているものだった。
「春の海」と「あけましておめでとうございます。こちらはタクシー乗り場でございます。ただいま,内宮行きが次々と出ております。伊勢神宮初詣と伊勢志摩の旅はぜひタクシーをご利用ください」というテープの声が,延々繰り返し流されていた。
火除橋。1時41分,橋を渡って神域に入る。神域に入ると出店など俗なものが一切なくなり,厳かな雰囲気となった。
手水舎で身を清める。
豊受大神宮
まずは外宮の御正宮にてお参りをする。
風宮 | 多賀宮 | 土宮 |
別宮もそれぞれお参りした。
意外と参拝者が少ないのは,内宮が伊勢神宮のメインになっているからだろうが,参拝者の中には,呪文のようなものを唱えて真剣に祈りを捧げている人もおり,こちらも背筋が伸びる思いをした。今まで初詣をした神社では,こういう本当に厳かな雰囲気というのはなく,さすが伊勢神宮だと思った。
神札と神酒の授与所。御札と御守りは極めてシンプルで,ここにも神社の格を感じた。おみくじなどもなかった。
「伊勢神宮初詣割引きっぷ」購入者には記念品として「初幸の丑」が授けられた。