北海観光節旅行記八割方TOKYO

伊豆長岡温泉

伊豆長岡駅前からは19時20分発のバスで温泉街に向かう予定だったのだが,今日からもう年末年始特別ダイヤに移行しており,18時45分以降は全便運休だという。ずいぶん店じまいの早いバス会社である。

温泉街までは約2.5km。結局今日は20kmくらい歩いたことになる。

 

射的場と遊技場。伊豆長岡温泉は意外と情緒ある温泉街だった。

 

このお土産屋で,すごい掘り出し物を発見。「伊豆の旅」という観光展望社の観光地図で,これがまだ何冊もあった。40年くらい前のものだと思う。ただ,売ってもらえるか尋ねると,売ってはもらえず「差し上げます」とのことだったので,代わりにぐり茶を買っておいた。

この店にはまた,チェンジ伊豆2000!のキャラクター・イズノスケのシールが置いてあった。イズノスケについてもいろいろ聞いてみたことがあったが,変わった観光客だと思われても困るのでやめた。

本日のお宿は南山荘。

予約サイトのクチコミを見て,お化け屋敷のような旅館を想像していたのだが,建物は立派に保守管理されていた。

客室は33室あり,そのうち22室が離れ風の造りで,それぞれ違った間取り,意匠が凝らされている。古くは川端康成,北原白秋らがたびたび宿泊しており,重要な政治的会談が行われたこともあるという。

 

離れ客室は源氏山の山腹に点在しており,館内はとにかく階段が多い。

窓はひとつひとつ違うデザインになっていた。

宿の創立者の名をとった宇平橋。

流し台。

廊下も巧妙に雁行させたり,ちょっとした休憩スペースがあったりと粋である。これほどの旅館は日本国内を探してもそうないだろう。

建物の豪華さとは対照的に,食事の提供はなく,持ち込み自由,布団を敷くのもセルフサービスである。それで1人で泊まっても6500円である。私などにはいちばん嬉しい旅館である。

温泉は館内に3箇所あり,かけ流しだった。無色透明無味無臭の湯だったが,伊豆長岡温泉は伊豆随一の泉質と言われているそうで,たしかに熱がこもっており,説得力を感じるお湯だった。

テレビをつけると「男はつらいよ」を放送していた。こういう旅館の部屋で見るのは何とも良いものであった。

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