不安になるほどひと気のないバス停にも,時間どおりバスがやってきた。乗客はほかにいない。
今日の午後の行程には,あまりこだわりがなかった。夜の適当な時間に相模湖に着けばよい。横浜や東京の喧騒は避けたかったので,とりあえず河口湖経由で中央線に出ることにした。
高速道路のような緑色の標識が立っているが,法定速度60km/h制限という妙な国道を北進する。
まかいの牧場。
富士山が見えた。
朝霧高原。既に,富士箱根伊豆国立公園に入っている。朝霧といえば,「午後の遺言状」に出ていた朝霧鏡子さんはまだお元気かと思って調べてみたら,10年以上前に亡くなっていた。合掌。
富士スバルランド・ドギーパーク。世界のフクロウ40種・富士花鳥園。原野の風景とも相まって,どちらかと言えば北海道的な雰囲気を感じた。
県境のバス停を過ぎると,旧上九一色村に入る。事件から16年目にして初めてオウムの本拠地があった村を通る。
車窓から一瞬見えた本栖湖。
バスは国道をそれて,精進湖民宿村に入った。昭和40年代初頭に災害による集団移転が行われた地区だという。
続いてバスは,精進湖畔の一周道路に入った。富士山の眺めは良い。湖畔にはひなびた旅館や貸しボート屋が点在していた。
さらに10分ほどで風穴バス停着。ここでバスを下車した。
富岳風穴
大晦日だというのにたくさんの観光客で賑わう風穴。風穴がこれほどの大観光地だとは思っていなかった。
入洞券を購入して洞穴に入る。
貞観6年の富士山噴火の溶岩流によってできた洞穴だという。
この氷は夏まで残るという。
昭和40年ころまでは天然の冷蔵庫として,まゆ玉や種子の保存に利用されていたそうだ。