北海観光節旅行記熊野古道と北リアス線

白浜温泉

17時10分,紀伊田辺駅に到着。駅舎は開業当時からの大きな建屋だった。

駅前は昔ながらのアーケード商店街だった。

空き店舗も多かったが,珍しく玩具店があった。このような昔ながらの玩具店は本当に少なくなった。

駅舎は広々としていたが,吹きさらしで寒かった。

紀伊田辺17:34発→白浜17:51着 紀勢本線 周参見行き普通列車

紀勢本線は,かつて運行されていた新大阪発新宮行きという夜行列車に乗って一周したことがあるが,それも13年前のことなのでほとんど記憶がない。

小腹も空いてきたが,紀伊田辺駅のキヨスクにはパンや弁当類がなかった。こんなことなら,道の駅でさんま寿司を買っておけばよかったと後悔した。

やむを得ず,パンダのどら焼きというのを買ったが,なぜパンダなのだろうか。

知らなかったが,白浜はパンダで有名なのだそうだ。

これからは,東京までひたすらJRで移動する行程である。旭川駅で発見してもらったときは,紀勢本線経由の経路が自動で出ないと言って駅員さんが苦労していたが,不思議なことにこちらに来てからは,どの駅も改札でいちいち経路を確認されることなくフリーパスだった。

白浜駅は,いたるところがパンダの絵で飾られていた。

白浜駅17:58発→白浜バスセンター18:10着 明光バス 三段壁行き

すっかり日は暮れたが,まだ18時前だ。年が明けるまでまだ時間があるので,白浜温泉で食事をし,温泉にも入っておこうと思う。

バスはがら空きかと思ったが,中国人観光客が10人以上どっと乗ってきた。

とりあえず,白浜バスセンターで下車。さすがに白浜温泉は活気があり,食べるところには困らなさそうだ。

とりあえずバス停のすぐそばにあった,堅実そうな食堂で夕食をとることにした。「年越しそば」と大きく出ていたが,店内の品書きには,かけそばとざるそばしかなかった。年越しそばもかけやざるでは貧相だなと思って,かつ丼を頼んだ。

 

年越しにふさわしい,静かな食堂だった。

よく見ると,壁に「うどん→そばに出来ます」と張り紙がしてあった。うどんには,肉うどん,昆布うどん,きつねうどん,月見うどんといろいろあった。

 

白浜のプロムナードには寒い中,観光客も多かった。雪面ほどではないにしても,地面が白いと電飾も映える。

20分ほど歩いて牟婁の湯へ。昔ながらの共同浴場だ。

深い湯船は程よい温度で,古道歩きでこちこちになった体も,だいぶんほぐれた。

 

19時20分,待合のテレビから賑やかな声が聞こえてきたなと思うと,紅白歌合戦が始まったのだった。

白浜銀座商店街も華やか。熱海に似た雰囲気だ。

バスまでまだ少し時間があるので,ラーメンでも一杯と思ったが,最初に良いなと思ったこの店は,先ほどバスに乗っていた中国人で満員に見えたのでやめた。しかしみんなでラーメンを食べている様子もまた幸せに見えた。

八両という店に入ってみた。

店員さんは何人かいたが,ラーメンは基本的に若い店主が1人で作っていた。「渾身のこの一杯」と銘打っていたとおり,気合の入った作りぶりが印象的だった。

ファミリーマートの前では,甘酒か何かを売っていた。このあと白浜温泉街では年越しの花火大会が開かれることになっている。

白浜バスセンター20:06発→白浜駅20:16着 明光バス 田辺駅行き

白浜温泉をそれなりに堪能し,駅へと向かう。

駅の待合室は,人でいっぱいだったが,テレビには紅白ではない番組が映っていた。これも時代の流れだろうか。

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