初詣帰りの人たちとともに,すがすがしい気持ちでバスに乗る。
これも熊野交通の売店で買った,じゃばらドリンク。ジャバラとは,近郊の北山村でのみ生産されているかんきつ類の果物だという。
勝浦駅前に到着。「那智黒」と大きく書かれた看板が印象的だった。那智黒とは,飴だというが,いまどき飴がお土産としてこれほどメジャーな地位を維持しているのは珍しい。
熊野三山の参拝も無事終わり,ここで温泉に入っておこうと思う。賑わうことがあるのかどうかわからないアーケード街を,港のほうへ歩いて行く。
温泉のあるホテル浦島へは,専用のボートで渡る。
いまの時間,ホテルに向かう便はがら空きだ。
見えている建物は,全部ホテル浦島。客室数800あまりという巨大な温泉旅館だ。
ボートから降りると,出発の人たちが館内まで長い列を作っていた。今日はこの人たちもきれいな初日の出を見ることができたのだろう。みな晴れやかな顔をしていた。
日帰り入浴専用の受け付けがあった。
館内には6か所の大浴場がある。この時間に入浴できるのは,滝の湯,玄武洞,天海の湯。
10分ほど歩いて玄武洞に到着した。ぬるめのお湯がなみなみとかけ流されており,とても気持ちが良かった。湯あみ客もみんな幸せそうだった。湯殿からは脱衣室を見通すことができて,その面でも安心して入浴することができた。温泉旅館の大浴場のかがみだと思った。
途中にあった模型。天海の湯のある山上館へは高低差約80mを3本乗継で一気に上る,日本一のエスカレーターがあるという。
本館のお土産屋。ホテルの規模の割には,魅力的なお土産がなかった。
今度のボートは,浦島丸。竜宮城に連れて行ってくれる亀をイメージしているという。
食べ物屋さんはとても多そうな勝浦の街なか。しかし,元旦とあっては閑散としているのも仕方がない。
とりあえず,駅前の食堂でまぐろフライ定食を頼んだ。女性だけで切り盛りしている店で,とてもよかったと思う。12時前に入ったが,店を出るころには満席になっていた。
意外と殺風景だった紀伊勝浦駅。
この後,さらに熊野を巡ろうと思えば,日本最古の神社と言われる熊野市の花の窟神社などを訪ねることも可能だった。しかし,熊野にはまた来る機会もあるだろうと思って,これでひとまず熊野の旅は終わりにすることにした。