北海観光節旅行記熊野古道と北リアス線

黒森神社

宮古駅はイメージが変わっていた。以前の淡い色合いの屋根が気に入っていたのだが,昨年12月に浄土ヶ浜をイメージして改装されたのだという。

待合室の天井も,海をイメージした波形になっていた。

ともあれ,開業当初からの駅舎は,これでまたしばらく生き延びることができそうである。

宮古では2時間の滞在時間をとってある。ここで改めて初詣をしておきたい。駅の裏手にある横山大神宮は,6年前の正月に詣でたので,今日は黒森神社に行ってみる。

魚菜市場は正月休みだったが,津波の被害はなかったらしく,建物はそのままだった。ただ,肝心の魚の漁のほうは,だいぶん被害を受けているのだろう。

地図によると,黒森神社は駅前をひたすらまっすぐに3kmほど進んだところにあるはずである。

道はしだいに細くなっていくが,ガーガーと坂を上っていく。

しかし,道が細くなりすぎではないか。

坂を上りきると,工事現場だった。工事は休みだったので,さっと通り抜けて,もう1本の神社への道に合流した。

間もなく,案内板が現れた。

黒森神社は坂上田村麻呂の創建と伝えられ,古来から修験者の霊場となって黒森大権現,黒森観音などと呼ばれてきた。

一の王子跡。熊野古道を思い起こさせる。

石にペンキで書かれただけの山神様。

二の王子跡。かつてはお堂があったらしい。

踊り場跡。案内板には芝居小屋があったらしいことが書かれていた。

それにしても,道は間違っていないと思うが,いまだ誰とも会っていない。正月なのにお参りする人のいない神社とは,どんな神社なのだろうか。

さらにいくつもの碑や山神様を経て,参道の入り口に着いた。ここにはイタコ石があった。もとあった場所から移されたものだというが,結界石とも呼ばれ,ここから神域に入る。

樹齢1000年以上という巨木がいくつも立つ境内に入った。

なみなみと水が注がれる手水鉢。奉納されてから200年以上がたつ年代物だという。

道中誰とも出会わなかった不安とは裏腹に,なかなかに趣のある境内だった。

 

本殿は1850年の建立で,重厚な彫刻が施された立派なもの。

白山堂 稲荷堂 不動明王堂

小さなお堂にも,一つ一つ参拝をしていく。

こちらは何のお堂だろう。

 

薬師堂と薬師水。

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