北海観光節旅行記秋の湯殿山・尾瀬

7. 鶴岡へ

定刻より3分少々遅れて,新庄駅前に7時38分到着。

仙台行きの高速バスには,性別,年齢にやや偏りのある人たちが列をなしていた。この連休中,仙台で連日行われるという嵐のコンサートに行く人たちであろうか。嵐になぜこれほど人々が熱狂するのかどうしても理解できない。理解する必要もないのかもしれないが。

列車の時刻まで40分ほどあるので,駅前を少し歩いてみた。

急行食堂。木古内にも同名の食堂があるがチェーン店ではないそうだ。

駅のホームには天狗がいた。北海道ではまずありえず,東北に来ていることを実感する。

この9月4日で,奥羽本線が開通して110年になるという。

新庄8:12発→8:58着 陸羽西線 余目行き普通列車

今日一日は,湯殿山の参拝に充てている。肘折温泉は月山の八方七口の一つとされ,古来より月山の主要な登拝口だったのだが,1泊2日を要する上,現在は道が荒れて山伏くらいしか通る人がいないという。

それで,バスと列車を乗り継いで,「の」の字を逆さにしたようなルートで月山の裏側に向かう。

列車は最上川に沿って走る。この線は,何度も乗っている。松尾芭蕉は五月雨をあつめて早し最上川と詠んだあと,少し下流の清川から立谷沢川を遡って羽黒山に至り,月山山頂を経て湯殿山に入ったようである。

途中の小さな駅で,花束を持ったおじいさんが降りて行った。今年は9月23日が秋分の日だから,今日は彼岸の入りである。早速墓前に,花を供えるのであろう。一人ということは奥さんを亡くしたのかもしれない。

白糸の滝ドライブインは朝から賑わっていた。

 

観音茶屋,草薙温泉,最上川リバーポートと,観光施設が続く。

定刻で終点の余目駅に到着。羽越本線の特急停車駅であるが,構内は草むらに埋もれつつあった。

乗り換え時間は5分と短いが,特急券を買っておきたいので,いったん改札を出る。

久しぶりの余目駅前。歓迎のシンボルタワーには「月山山頂の町」とあった。余目町と立川町が2005年に合併して庄内町となり,結果,余目駅と月山山頂が同じ庄内町に含まれることになった。

無事特急券を購入。

余目9:03発→鶴岡9:13着 特急いなほ6号

 

特急いなほは新顔のE653系電車でやってきた。ボンネット型の特急白鳥が走っていたことなど,ずいぶん昔のことになった。

鶴岡駅には1分遅れで到着。駅前では大掛りなモニュメントが音楽を奏でながら回転していた。特急「いなほ」の到着と併せて作動するそうである。民謡調の聞いたことのない曲だったが,あとで調べたところでは「米の庄内」という民謡だそうだ。こうして民謡が大切にされているのは嬉しい。北海道で同じことをすれば,古臭いものを流すなと,クレームが来るだろう。

鶴岡駅前9:17発→大網10:03着 庄内交通 湯殿山行き

鶴岡では乗り換えが時間が4分しかなかったが,バスも1分遅れで到着し,余裕で間に合った。

 

何度か歩いたことのある鶴岡の古風の市街地を抜けると,郊外店が現れてきた。スーパーは「主婦の店」を名乗っていた。鶴岡でチェーン店を展開している老舗スーパーマーケットだというが,今の時代には珍しい名前である。

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