北海観光節旅行記秋の湯殿山・尾瀬

25. 尾瀬御池

御池登山口を抜け出すと,広大な駐車場が広がっていた。440台収容だという。御池口は尾瀬の入山口としての利用率は5%に満たない隠れた存在であるが,鳩待峠に次ぐ人気の沼山峠に至るには,ここからシャトルバスに乗り換える必要がある。

沼山峠への車道のゲート。この先はシャトルバスのみ通行可である。

尾瀬御池ロッジの前にはシャトルバスが何台も停車していた。現在15時50分。ちょうど出発していった沼山峠行きのシャトルバスに乗ると,本来予定していた沼山峠16時20分発の会津田島行きに乗れたのだが間に合わなかった。

沼山峠を見れなかった分,御池でゆっくりしよう。

  

檜枝岐村村営の山の駅御池はお土産が充実していた。せっかくなので通行手形でもあったら買おうかと思ったものの,木刀,提灯はもとより通行手形の類はまったくなかった。記念スタンプは日光国立公園時代のもので趣深い。

食堂は既に片付けに入っていた。

 

尾瀬ぶなの森ミュージアムは16時までで,ぎりぎりで入館できず。日帰入浴もあえてこの山の中で汗を流すのも悪い気がしてやめておいた。

結局,休憩所の軒下で30分ほど過ごすことになった。夕方とあって,バスを待つ人たちも目を輝かせてというよりは,まどろんだ雰囲気である。こういう時間が逆に印象的だったりする。

少年と来ていた若いお父さんが「燧裏はないなあ」と朗らかに言っていたりするのは,やはりそうなのかという気がしておもしろかった。

 

立派な乗車券発売所があった。

尾瀬御池16:40発→会津高原尾瀬口駅18:20着 会津乗合自動車 会津田島駅行き

沼山峠から下りてきたバスは,御池に満席で到着したが,ほとんど御池で降りてしまい驚いた。バスで尾瀬を訪れる人は,本当に少ないようだ。

15分ほどで標高差にして430mほど下り,七入着。昼間は御池の駐車場が満車になったらしく,七入にマイカーを停めた人たちも多かったようで,御池から20分おきに七入行きのシャトルバスが発車していた。この路線バスからも4名が下車した。

当初の予定では,沼山峠からこの七入まで沼田街道を歩くつもりだった。いつかは歩いてみたい。

  

キリンテという名の日本離れしたバス停では数名の乗降があった。周辺はそば屋やキャンプ場があって賑わっていた。

2010年12月31日以来となる檜枝岐の集落を通過。集落に混然としてあるお墓には彼岸の花が供えられていた。

9月9日の大雨で一時通行止めになった国道352号。片側交互通行で開通していた。

18時20分,会津高原尾瀬口駅到着。バスの乗客7名は全員ここで降車した。

 

前回訪ねたときは人でごった返していた会津高原尾瀬口駅も,今日は真っ暗だった。スキーの時期のほうが賑わうのだろうか。

もっとも,福島県の中でも,原発事故の被害を受けた浜通りに代えて,会津を盛り上げていこうという動きもあるようだから,これからこの地方が活況を呈する時代が来るのかもしれない。


今日の宿は福島県の中央部に位置する郡山に取っている。会津鉄道で会津若松に出て,磐越西線に乗り換えるのが素直だが,このルートではもう今日中に着く便がない。そのため,いったん栃木県の宇都宮まで南下することにする。

会津高原尾瀬口18:36発→上三依塩原温泉口18:46着 野岩鉄道会津鬼怒川線 上三依塩原温泉口行き臨時列車

 

鬼怒川の決壊などにより甚大な被害をもたらした9月9日から11日にかけての豪雨では,東武鉄道の鬼怒川線も大きな被害を受けたが,シルバーウィークに間に合わせる形で18日に運行が再開された。

ただ,上三依塩原温泉口駅と会津高原尾瀬口駅間で停電が続いている関係で,本来電車で運行している会津田島以南は,上三依塩原温泉口まで会津鉄道の気動車を使用した臨時列車での運行となり,上三依塩原温泉口で野岩鉄道の電車に乗り換える形を取っていた。

 

車掌から乗車券を求めると,もしかしたら乗り換えができないかもしれないと言われた。

車内はがら空きだった。前回乗ったときは,どの列車も立つ人がいるほどの混雑だったので拍子抜けした。

上三依塩原温泉口18:46発→川治湯元19:03着 野岩鉄道会津鬼怒川線 新栃木行き普通列車

問題なく乗り換えできた。

次へ