千歳線

植苗 うえなえ 無人駅
苫小牧市植苗
大正15年8月21日開業
標高18m 62人
複線
沼ノ端より6.4キロ
2000.12.2乗車

●沼ノ端→植苗の車窓

沼ノ端で日本一長い直線区間は終わるが,これまた北海道らしい壮大なスケールで,室蘭本線と分かれる。複々線のまま沼ノ端駅を出て,札幌からこちらに向かってくる千歳線の上り線がまず右に分かれる。下り線はまだしばらく室蘭本線に沿い,ウトナイ湖の東で室蘭本線と分かれ,室蘭線をまたいできた上り線と合流して植苗に着く。上り線がややいびつな線形を取っているのは,鵡川・富内への北海道鉄道金山線から分岐した北海道鉄道札幌線を継承しているからで,上り線は大正15年に敷設されたのに対し,下り線が完成したのは昭和44年である。
ただ実際に乗ってみると,スケールが大きすぎてどこでどうやって分かれているのかわからないし,そういう歴史も知らなければどうということはない。しかし,この区間の車窓は北海道の中でも特に印象的で,左にウトナイ湖,遠く樽前山を望む。アイヌ語でウエナエ(ウエンナイ)は「悪い川」の意。決して肥沃な大地ではなく,この上なく茫漠とした景色である。

●植苗駅

駅前には商店が1軒あるだけで寂しいが,遠いところに住宅街があるらしく,高校生などが多く利用している。車で送迎してもらっている利用者が多い。
駅舎は平凡だが,壁には落書きが多い。内容はこの駅独特のもので,怪しいことがいろいろ書かれている。遠方から来ていろいろ落書きをする人が多いようだが,なぜこの駅で降りるのか不明である。
今は木も生えていない不毛の地に見えるが,昔は炭焼きが主要産業だったというから,開拓前には森で覆われていたのだろう。明治10年には開拓使の鹿肉缶詰所ができたが,今は鹿もいない。

●見どころ

□ウトナイ湖[自100]

駅から5km。駅前の道をそのまま進み,国道で左折。ラムサール条約登録湿地。淡水・海跡湖で,1981年に日本野鳥の会により,日本初のバードサンクチュアリに指定された。

▽ウトナイ湖ネイチャーセンター

▽野生鳥獣センター

環境庁によって2002年にオープン予定。

□牧場

右手に少し歩いて踏切を渡ると,このようなのどかな風景に出会える。

千歳線TOP 北海道駅前観光案内所 美々