西神楽 | にしかぐら | 無人駅 | |
---|---|---|---|
旭川市西神楽南1条1丁目 | |||
明治32年9月1日開業 | |||
標高144m | 924人 | ||
2線(対向式) | |||
旭川より9.9キロ 西瑞穂より2.5キロ |
|||
2001.1.8下車 |
右に林産資源場を見て,いくらも田園を走らないうちに西神楽に着く。このあたりは国道237号がぴったり沿っており,車と競争する感じになるが,駅が多いだけに車にやっと追いついたと思うと,またすぐにブレーキがかかってしまう。このようなことだから,富良野線の沿線では鉄道は遅い乗り物だと思われており,頑固なまでに車に執着する人が多い。
駅の手前でガクンガクンと横に振られてポイントを通過し,西神楽に着く。旭川駅から約10km走って,初めての交換駅である。例えば札幌から旭川まで特急で来たり,旭川空港からバスで旭川駅まで来て富良野線に乗った場合,西神楽で最初の列車交換というイベントに出くわす。交換待ちのため2,3分停車すると,「なぜ発車しないのか」「事故でも起きたのか」と騒ぎ出す人がよくいる。「単線だから駅で待ち合わせして行き違いをしなければならないんだ」と誰かが説明するのだが,都会の人はしきりに「田舎だ」「ローカル線だ」と,ひどい田舎に来てしまったような感想をもらすのである。これがいつも富良野線を利用している人たちにとってはあまり気分が良くない。単線は何も富良野線まで来なくても,札幌なら札沼線,東京なら八高線などにもあるのである。しかも富良野線は,道内のローカル線の中でも特に都会的な雰囲気のある路線である。富良野線を田舎だという人たちは,都会の中に安住していてほとんどどこにも行っていない人なのだろう。そういうあまり旅慣れていない旅行者が多いのも富良野線の特徴である。
富良野線で3番目に利用者の多い駅。駅舎は1989年に建て替えられた。長く委託駅員がおり,朝みんな「おはようございます」と言いながら駅に入ってくるのは心地よい光景だったが,駅員の引退により無人駅となり,かわりに乗車券の自動販売機が置かれた。それでも冬季には待合室にストーブが灯り,並みの無人駅よりは温かみがある。
西神楽は富良野線開業当初からの駅で,当初は辺別(べべつ)と称したが,昭和17年に西神楽に改称した。道内では国道のバイパス化などで市街地が変貌しているところも多いが,西神楽は100年以上の間,駅の位置も国道の位置も変わっておらず,駅を中心とした商店街や市街地には風格を感じる。市街地は農産物の集積地として発展してきたのであるが,富良野・美瑛と旭川を結ぶ街道沿いにあって,宿場町のような存在でもある。今も俗な郊外店やドライブインは建たず,昔ながらの商店の前に自動販売機が並び,車を停めて飲み物を求める人は多い。
特になし
▲ | 西瑞穂 | −北海道駅前観光案内所− | 西聖和 | ▼ |