函館本線

近文 ちかぶみ 無人駅
旭川市近文町19丁目
明治44年1月11日開業
標高102m  220人
複線(島式)
函館より419.1キロ
伊納より6.1キロ
3分ローソン(駅前まっすぐ信号右)
2000.8.12下車

●伊納→近文の車窓

伊納駅を出ると再びトンネルに入る。複線のトンネルだが,特急列車が全速で突入すると耳がツンと痛くなる。トンネルを出ると右手にはサイクリングロードが沿っている。基本的に旧線を使用したものなのだろうが,新たに建設したように見える部分もある。江丹別川を渡り,ほどなく函館本線最後のトンネル,嵐山トンネルに入る。嵐山とは京都の嵐山にちなんで開拓使らが名づけたもので,札幌の円山のような存在である。山麓は北方野草園になっており,貴重な北方系植物群落が見られる。この麓に昭和33年の一時期,嵐山仮乗降場が置かれたこともある。
いっぽうこの嵐山はアイヌの人たちがチノミシリと呼んだ聖地だった。第7師団の近文移転に代表される上川開発がアイヌの人たちを追い詰めていったことも忘れてはならない。
さて嵐山トンネルを抜けるといよいよ旭川である。車窓にはにわかに住宅が密集してくる。右手に石狩川を望んでカーブを切ると,近文駅に着く。

●近文駅

もともと軍用停車場として開設された駅。ここから第7師団練兵場まで近文貨物支線が延び,戦後には旭川大町貨物駅までの大町支線となったが,昭和53年に廃止された。そのほかにもかつては各方面の工場に専用線が出ており,現在も側線が残っている。
近文発着の列車があったためか近年までJRの駅員がいたが,1997年の12月に簡易委託化され,2006年6月限りで完全無人化された。
駅舎本屋は1989年に建て替えられた。ホームには重厚な造りの待合室が残っており,旭川の歴史的建築賞?を受賞している。
駅の利用者は周辺の住民のほか,明成高校(旧・旭川女子高等商業学校)の学生や運転免許試験場に行く若者が多い。ホーム待合室の壁には運転免許試験に合格した若者たちの喜びの気持ちが書き込まれている。彼らはこの日を最後に列車とお別れするのかと思うと寂しくなる。

●見どころ

□北方野草園

駅から2km。旭川八景。通称嵐山公園。海岸や湿原の原生花園と違って,まちの裏山のようなところこれだけの北方系植物群落があるのは珍しく,国内随一だという。(H5.5訪問)
▽嵐山展望台
900-1630(6-7は-1700) 4/29-10/15開園,月休 無料

□アイヌ文化の森・伝承のコタン

駅から2km。通称嵐山の麓,旭川市博物館分館となっている。3棟の復元チセと資料館がある。チセはこの地方の様式。

□川村カ子トアイヌ記念館

駅から2km。北海道教育大学旭川分校方面。川村家は上川地方のアイヌを代表する旧家。8代目川村カ子トが大正5年に設立。夏季にはアイヌ古式舞踏の実演が行われる。記念館の周辺は近文アイヌ給与地問題が起こった地域でもある。

900-1700 500円 無休

注意:次の旭川駅のページでは音声が再生されます。

伊納 北海道駅前観光案内所 旭川