[北海観光節]  [北海道駅前観光案内所]

函館本線 その4

[小樽→岩見沢]


1968.10 日本交通公社時刻表

 

函館本線[小樽→岩見沢]の概要

北海道で最初に建設され,最初に電化された区間。列車の本数も多く,途中下車の旅はいちばん実行しやすい区間です。まずは札幌に近いところから列車の旅を始めてみてはいかがでしょうか。おすすめは江別・野幌周辺です。


●歴史

官設幌内鉄道は,石狩炭田の幌内炭鉱からの石炭を小樽港に輸送することを主目的に,アメリカ人J.クロフォードを技師長として明治13年11月28日に手宮−札幌間が,道内初(国内3番目)の鉄道として開業した。明治15年11月13日に札幌−幌内間が開業し,石炭輸送が開始された。明治22年,北海道炭鉱鉄道に払い下げられたが,同39年再び国有化された。その間,明治31年に旭川まで,同37年に函館−小樽間が開通。明治38年8月1日に最後の小樽−南小樽間が開通して,函館−旭川間が全通。明治40年には函館−小樽間も国有化されて,同42年10月に函館本線となった。
支線の札沼線は昭和10年,千歳線は大正15年(昭和18年国有化),石勝線は昭和56年に全線開業。
昭和43年8月,小樽−滝川間が北海道最初の電化区間となる。昭和50年,札幌−旭川間に485系電車特急「いしかり」新設,同55年に781系「ライラック」新設。
幌内鉄道の両端にあった手宮線は昭和60年11月,幌内線は同62年7月廃止。現在,始点の手宮駅,終点の幌内駅跡には鉄道記念館が建てられ,線路も一部残されている。
一方,昭和61年11月には稲穂,稲積公園,発寒,発寒中央,高砂の各駅が新設され,通勤・通学路線としての役割を強めている。昭和63年11月には札幌駅が高架化された。
1990年9月1日,785系特急「スーパーホワイトアロー」が道内初の130km/h運転を開始した。

●車窓

小樽,南小樽と雑然とした市街地を通り抜けると,右手にマイカル小樽の巨大な建物が見えてくる。小樽築港からは日本海の海岸線を行き,特に朝里から銭函までの荒々しい海は素晴らしい。銭函から内陸に入ると,茫漠とした原野に工場が建ち並び,右に手稲山が見えてくる頃には,まわりは住宅街となる。琴似から高架線に入り,右に札幌市民の食卓を担う中央卸売市場が過ぎていくと,まもなく札幌駅に着く。
複々線となって札幌を出発すると,左に苗穂運転所,右に札幌貨物ターミナルが過ぎ,千歳線が右手に分かれていく。右手の丘には野幌森林公園を望み,左には防雪林が延々と続く。大麻,野幌,江別と通勤通学客を降ろし,左手に一瞬石狩川の水面を見ると,車窓は田園風景となる。宅地開発の進む豊幌,幌向,上幌向に停車し,右から室蘭本線が合流してくると,まもなく岩見沢駅に着く。
小樽から札幌までは札幌に向かって側の車窓が圧倒的に良い。札幌−岩見沢間はどちらでも大差ないが,岩見沢から先も乗り通すのであれば,側に座っておいたほうが良い。

●運行系統

●普通列車
北海道でも最も通勤通学客の多い区間であり,列車の運行系統はやや複雑である。普通列車は,小樽,ほしみ,手稲,札幌,江別,岩見沢を発着駅として様々な区間に設定されている。札幌駅が始発,終点の列車は少ない。また,岩見沢方面と苫小牧方面を直通する普通列車はないが,小樽方面と苫小牧方面を結ぶ普通列車は多く設定されている。
快速列車は,「エアポート」が小樽−新千歳空港間に毎時2本運行。函館本線内の途中停車駅は南小樽,小樽築港,手稲,琴似,札幌。区間快速「いしかりライナー」は小樽・ほしみ・手稲−江別・岩見沢間に設定され,手稲−江別間,手稲−札幌間,札幌−江別間のいずれかが快速区間となる。快速区間の途中停車駅は琴似,札幌,大麻,野幌。
その他小樽・手稲−札幌間に特急車両を使用した「ホームライナー(乗車整理券を必要とする定員制の列車)」が設定されている。
この区間外に直通する列車としては,山線の長万部・蘭越・倶知安・然別から札幌への直通列車がある。旭川方面は,2000年3月改正で岩見沢で列車の運用を分割することとなったが,滝川・旭川に直通する列車もわずかに残っている。また,201系気動車を使用して札沼線のあいの里教育大・あいの里公園と江別を結ぶ普通列車が1日2往復設定されている。

●特急列車
札幌から旭川方面は北海道で最も特急の本数が多い区間で,札幌−旭川間に特急「ライラック」「スーパーホワイトアロー」がそれぞれ1時間おきに設定されているほか,稚内,網走行の特急,富良野行の臨時特急が走っている。途中停車駅は岩見沢のみだが,夜行の利尻,オホーツク9号・10号は江別にも停車する。
なお,2002年3月改正からはスーパーホワイトアローが新千歳空港へ直通する列車となり,ライラックは札幌発着となる。

●利用状況

●普通列車
手稲−札幌間が北海道で最も利用者の多い区間で,車内にも常に立ちが出ているような状況である。それでも小樽駅で早めに改札を出れば席は確保できる。倶知安方面から直通する列車は編成両数が少なく混みあうので避けたほうが良い。その他,快速列車が出た直後の普通列車は空いていることが多い。岩見沢方面は小樽方面よりは席に余裕があるが,札幌始発の列車は少ないので,札幌駅から乗って良い席を確保するのは難しい。ただ,江別まで待てはかなり空く。岩見沢からなら容易に席が確保できる。午前は札幌行きが混み,午後は札幌発が混む傾向が明瞭に見られる。

●特急列車
札幌−岩見沢間は特急で通勤している人も多く,立ちが出ることも多い。所要時間は30分弱であり,このくらいなら立つのもやむを得ない。札幌駅で早く並べば確実に席が確保できるが,岩見沢から乗る場合,既に満席になっていればどうにもならない。岩見沢から札幌行きに乗る場合は,後ろの車両のほうが空いている傾向がある。

●車両

●普通列車
基本的に3ドア転換クロスシートの721系電車,または3ドアロングシートの731系電車の3または6連で,両形式3両ずつの併結列車もある。2000年3月改正で711系電車は岩見沢以遠に追いやられたが,小樽−岩見沢間にもわずかに残存し,朝夕には711系の6連も見られる。非電化の山線から直通し電化区間で731系電車と併結運転することを売りに開発された201系気動車だが,現在このメリットを生かしているのは倶知安622発札幌行普通列車1本のみである。その他の山線直通列車は札幌1752発倶知安行のニセコライナーは201系6連,蘭越始発がキハ201系3連,長万部終発がキハ40形700番台2両で小樽からキハ150形2両増結,これら以外はキハ150形0番台2両編成である。
その他特筆すべき列車として,札幌606発旭川行普通列車と,滝川1941発札幌行普通列車がキハ40形700番台2両編成で運転されている。

●特急列車
ライラックが781系,スーパーホワイトアローが785系。札幌−旭川間の所要時間では785系のほうが10分短い。ライラックは4両または6両,スーパーホワイトアローは5両編成。いずれも指定席はグレードの高いuシート車が充当されている。

 

それでは,函館本線その4各駅停車の旅をお楽しみください

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