[北海観光節]  [北海道駅前観光案内所]

根室本線 その1

[滝川→新得]


富良野駅に臨時特急ふらの到着

448.8kmの北海道一長い路線・根室本線。最初は滝川−新得間です。この区間は1981年の石勝線開通により道東へのメインルートからはずされた”ローカル幹線”です。非電化単線ですが,交換駅の長い有効長や重厚な駅の造りは貫禄十分。一般的には地味な印象があり,鉄道関係の本でも紹介されることも少ないのですが,知れば知るほど味わいが出てくる路線です。1999年には映画・鉄道員で幾寅駅が一躍有名になりました。また近年,炭鉱遺跡巡りがブームになりつつありますが,滝川−芦別間は旧産炭地を走る道内唯一の現役路線です。一日散歩きっぷ,道北一日散歩きっぷ,ラベンダーフリーきっぷなどの乗り放題エリアに入っていますので,途中下車の旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。

根室本線[滝川→新得]の概要


●歴史

この区間は滝川−富良野間と富良野−新得間で歴史が異なり,富良野−新得間のほうが早く建設されている。それは釧路への線路が旭川から現在の富良野線経由で建設されたからであり,落合には明治34年に達し,明治40年旭川−釧路間が全通して線名を釧路線とした。一方,滝川−富良野間は野花南−滝里(廃止)間に空知大滝の難所があったため建設が遅れ,明治44年に下富良野線として着工,大正2年に開通した。これにより釧路方面への所要時間が1時間短縮されたが,芦別,赤平の炭鉱開発に果たした役割も大きい。路線名は下富良野線全通時に滝川−釧路間を釧路本線と改称,大正10年には釧路−根室間の開通により根室本線と改称した。
その後の特筆すべき変化は1966年の新狩勝トンネル開通である。新日本八景に選ばれた車窓や,蒸気機関車2重連,3重連での峠越えは今や伝説となっている。
1981年道央と釧路方面をショートカットする石勝線が開業し,根室本線滝川−新得間はメインルートからはずされ斜陽期を迎える。札幌−帯広間に滝川経由で残存していた急行狩勝も1990年9月改正で廃止。石炭輸送のほうは1960年に赤平駅が貨物発送量が全国1位になるなど全盛期を迎えたが,以後衰退の一途をたどり,1989年3月三井芦別鉄道の廃止により石炭列車は姿を消した。
しかし折しも石勝線開通の年に,フジテレビでドラマ「北の国から」が放送され,富良野は一躍観光地になる。スキー場のリゾート開発も進み,1986年12月,フラノエクスプレスが運行開始。夏はラベンダー,冬はスキーにと,リゾート列車が行き交う賑やかな線区になった。

●車窓

狩勝峠までは特別な絶景があるわけでもなく,何も知らないで乗ると,つまらないかもしれない。しかし,かつては日本の産業を担った重要路線だっただけに,歴史を知れば面白みも増す。それは各駅のページを参考にしてほしい。
滝川−上芦別は旧産炭地を行く。谷間に細長く続く市街地や,広い駅構内に名残をとどめる。野花南−島ノ下間は空知川の渓谷を行く素晴らしい車窓だったが,1991年に滝里ダム建設により8kmのトンネルの新線に切りかえられた。トンネルを抜けると富良野盆地の純農村地帯を走る。晴れていれば十勝岳連峰や芦別岳も見える。山部を過ぎると空知川の谷も狭まり,駅ごとに山あいの集落が点在する。
滝川からかなやま湖までは空知川に沿っており,何度も橋で渡るので,川の表情の変化を追うのも面白い。
夏も良いが冬も良い。北海道でも特に寒いところを走っており,暖かい車内から下車すれば寒さがビリビリ身にしみる。空知川沿いは樹氷が特にすばらしい。
落合−新得間は石狩・十勝国境の狩勝峠越え。旧線には劣るが,雄大なカーブを描いて十勝の大地へ駆け下りる車窓には誰もが感動する。
全般に新得に向かって側の車窓が優れている。

●運行系統

定期列車は全列車普通・快速列車。道内有数の閑散線区で,滝川を出る列車は9時38分の後,13時33分まで4時間も間隔があいている。さらに狩勝峠を越える列車となれば15時20分まで待たなければならない。通学利用にはそれでかまわないのかもしれないが,旅行客には不便なので,夏の観光シーズン・冬のスキーシーズンには札幌・新千歳空港と富良野を結ぶ臨時特急が運行されている。なお1999〜2000年の冬季には札幌直通のスキー列車が快速列車として運行されたが,その後は再び夏冬共に特急として運行されている。
滝川から芦別行き,富良野行き,落合行き,新得行きがあるが,新得以遠に直通する列車も少なくなく,特に滝川938発の釧路行き普通列車は308.4kmを7時間45分かけて走破する道内最長距離鈍行である。旭川−帯広間には直通列車が1往復あり,繁忙期には臨時でもう1往復快速ホリデーおびひろ・あさひかわが運転される。
滝川や富良野,新得での列車の接続は良い。

●利用状況

概して利用者は少ない。滝川−芦別は並行する路線バスが充実しており,一般の利用者はバスに流れている。列車は高校生が利用する程度。富良野と芦別は支庁が異なるため相互の移動は少ない。札幌−富良野間には中央バスの高速ふらの号が運行されており,富良野からJRで札幌に行く人は少ない。
平日は滝川−芦別の高校生の利用が多いが,休日は滝川−富良野の旅行客の利用が多くなる。道央方面から一日散歩きっぷで訪れる人が多い。
富良野−幾寅は富良野に通う高校生が利用している。狩勝峠越えの定期客はないと思われ,冠婚葬祭など用事のある人や観光客が主な利用者。旭川・帯広間の移動もバスに流れているが,JRでも旭川・帯広往復割引きっぷを発売し,鉄道を利用する人も増えてきている。
全般に空いており,1人1ボックスの確保が容易な場合が多いが,滝川805発富良野行き,滝川938発釧路行き,富良野915発帯広行き,富良野1645発新得行き,新得1411発滝川行きなどは混むことがある。特に旭川直通の列車は席数の少ないキハ150形単行運転のため,休日には旅行客で混み合うが,着席できないことはまれである。
札幌・新千歳空港と富良野を結ぶリゾート列車は7月中・下旬のラベンダーシーズンには爆発的に混むが,その他の時期は空車輸送に近い状況である。

●車両

基本的にキハ40形700番台で,旭川直通列車にはキハ150形0番台を使用している。キハ40とキハ150では狩勝峠越えで所要時間の差がかなり出るのでおもしろい。ほとんど単行だが2両編成の列車もわずかにある。映画「鉄道員」で使用された「ぽっぽや号」はキハ12-23を名乗るが,これはキハ40-764を改造したもので,内部はそのまま。
リゾート列車第2弾のキハ80系フラノエクスプレスは1998年11月に引退し,その後臨時列車にはクリスタルエクスプレス,ニセコエクスプレス,ノーマルのキハ183系特急車両が使用されている。

それでは,根室本線各駅停車の旅をお楽しみください

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