[北海観光節]  [北海道駅前観光案内所]

2000.8.19作成,2005.8.31全面改訂

札沼線(愛称・学園都市線)


札樽自動車道をまたぐ斜張橋を望む(新川−新琴似間)

「学園都市線」という愛称から札沼線を私鉄だと思っている人もいるが,れっきとしたJR北海道の路線である。札幌近郊では通勤・通学に利用されており,石狩当別から先は一転して田園を行くのどかな車窓となる。札幌から比較的近いところで非日常的雰囲気を味わえるのでふらりと乗ってみるのもよいだろう。新十津川まで一度乗り通したら今度は途中の駅に降りてみるとよい。ここではあえてどの駅にあるかということは書かないが,旅の思い出をつづったノートが置いてある駅がいくつかある。札沼線は途中下車の旅に最適な癒しの路線といえる。

札沼線の概要


●歴史

札沼南線,札沼北線として桑園,石狩沼田の両側から建設が進められ,昭和10年10月3日全通。戦時中は資材供出のため桑園−石狩当別間を残して運休。昭和31年までに全線復活したが,赤字線廃止勧告で昭和47年6月18日,新十津川−石狩沼田間34.9kmが廃止された。
昭和50年代以降沿線のベットタウン化が進み,また大学の移転もあって,桑園−北海道医療大学間は都市圏の輸送を担う線区へと変化した。昭和61年11月1日に新川,太平,あいの里教育大の3駅が新設,1991年3月改正では「学園都市線」の愛称が付けられた。複線化,高架化も進められ,2000年3月改正で八軒−あいの里教育大の複線化,桑園−太平の高架化がひとまず完了している。


「荷物事務用鉄道路線図」(日本国有鉄道営業管理室,1967)

●車窓

札幌から桑園までは複線の函館本線とは別にもう1本ある札沼線専用の線路を走る。本線から分岐すると,左遠方に手稲の山が見えてくる。八軒,新川,新琴似と似たような造りの高架駅を通過する。車窓は右も左も雑然とした住宅街である。ただ背の高い建物がないのですこぶる見通しはよい。
あいの里公園−石狩太美間で石狩川を渡ると,石狩平野の農村を延々北上する。石狩当別からはおおむね国道275号に沿うが,この道路は札幌から道北方面への裏街道として交通両も多い。列車は速くても65km/h程度でゆっくりと走り,線路沿いには水芭蕉など美しい野の花も見られる。国道よりも近いところに自然があるので,列車の窓を開けて里山の空気を吸い込みたい。
月ケ岡,豊ケ岡,鶴沼の前後で10‰程度の小さな丘越えがあるほかは極めて平坦な路線で,桑園と新十津川の標高差は17mに過ぎない。
石狩当別までは右の車窓も左の車窓も大差ないが,その先は石狩平野の西端を走るため,新十津川に向かって右側の車窓が優れている。

●運行系統

札沼線の起点は桑園だが列車はすべて札幌駅から出る。また,札沼線の列車は通過する駅がなくすべての駅に停まる。札幌−北海道医療大学間は数えるのも面倒なほど本数が多い。札幌からはおおむね20分おきに発車しており,あいの里教育大行き,あいの里公園行き,石狩当別行き,北海道医療大学行きがある。また下り札幌発浦臼行きと上り新十津川発札幌行きの列車が1本ずつあるが,石狩当別以北は単行(1両編成)運転のため石狩当別駅で車両の解結がある。2000年3月改正で江別との直通列車が2往復誕生した。
北海道医療大学以北は石狩当別から浦臼まで7往復,新十津川まで3往復で,道内有数の閑散線区となっている。この区間で列車の行き違いができる駅は石狩月形のみである。
なお沿線にはJRバスの路線が並行していたが,2003年2月をもってJRバス滝川営業所が廃止され,滝川〜新十津川〜花月〜砂川・浦臼間,浦臼〜奈井江間の路線は北海道中央バスに引き継がれ,浦臼〜石狩月形間は廃止された。

●利用状況

輸送力は年々増しているが,札幌近郊ではほとんどの列車に立ち客が出ているような状況である。
北海道医療大学以北はほとんど空車輸送をしているかのように言われることもあるが,実際には意外なほど利用者がいる。1日3往復しかない浦臼以北の区間でさえも地元客の利用があり,宗谷本線のように冬に駅が雪で埋もれてしまうというようなことはない。休日には一日散歩きっぷの利用者で賑わうものの,たいていの人は石狩当別−新十津川を乗り通し,わずかに本中小屋で降りて中小屋温泉を訪れる人がいる程度だ。

●車両

車両は大部分が札沼線独自の運用を行っており,桑園−北海道医療大学間ではかつてのレッドトレイン・50系客車を改造したキハ141系(42両),強馬力・冷房化改造を施したキハ40形300番台(4両),キハ48形300番台(3両),2000年3月改正まで宗谷本線の急行列車として走りロングシート化されたキハ40形330番台(6両),キハ48形1330番台(3両)が使用されている。1999年7月にはキハ141系のドラえもん列車が登場したが,現在はステッカーがはがされている。また,キハ201系も昼間は札沼線に入っており,江別との直通列車に充当されている。
石狩当別−新十津川間は排雪抵抗があるため強馬力車両が使用されており,1996年3月改正からキハ53形500番台に代わってキハ40形400番台が入っている。なお,この置き換えの際に石狩当別以北はワンマン化された。
桑園−北海道医療大学間は3両編成〜6両編成で運用され,北海道医療大学以北を走る列車はすべて単行である。


キハ53形500番台

キハ141系ドラえもん列車

それでは,札沼線各駅停車の旅をお楽しみください

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