駒里(信) | こまさと | 信号場 | |
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千歳市字駒里 | |||
昭和56年10月1日開業 | |||
標高28m | |||
2線 | |||
南千歳より5.4キロ |
南千歳駅を発車した列車はまもなく千歳線上り線の下をくぐり抜け,単線となって東へ向かう。これまでの頑丈な複線の千歳線と比べると何とも弱々しいが,振子特急は体を大きく傾けてぐんぐん加速,あっという間に時速130kmに達してしまう。
右手にレンタカー屋の広大な駐車場を見ると,今度は左右に養鶏場の巨大な施設が並んでいる。いきなりのスケールの大きな景色に驚いている間に,列車はシェルターをくぐり抜け,駒里信号場を通過する。
まわりは牧場やサイロ,防風林が点在する牧歌的風景である。駒里という地名は北海道の人ならば聞き覚えがあると思うが,千歳川放水路の通過予定地だったところである。千歳川放水路は洪水対策を目的とし,日本海へ流れる千歳川の水を洪水時に太平洋側へ逆流させようという計画だったが,ウトナイ湖などの自然に影響を及ぼすとして反対の声が上がり,1999年には中止が決定した。中止決定までの17年間,駒里地区は千歳川放水路計画に翻弄された地区といえる。駒里信号場も当初は旅客駅となる計画だったが,結局信号場として設置され,住民はその益に授かれなかった。ただ,そうと知らなければ非常にのどかな風景が広がっているだけである。
●南千歳−追分間のルートについて
石勝線の分岐駅は南千歳(旧・千歳空港駅)であるが,はじめから空港へのアクセスが考慮されていたわけではない。この区間は大正11年の改正鉄道敷設法で「石狩国白石ヨリ胆振国広島ヲ経テ追分ニ至ル鉄道(追分線)」として予定線に編入されたが,広島(現・北広島)−追分間は大湿地帯を通るため,昭和36年に千歳−追分間にルート変更された。ところが千歳には自衛隊や米軍の施設があるため,千歳駅の南2.9kmの千歳空港付近で分岐することにした。しかし,千歳空港付近での千歳線の分岐点は旅客駅とするか信号場にするか国鉄内でもめにもめ,ようやく昭和53年至って,空港と連携し旅客の便を図ることは鉄道にとっても利益になるとの判断から,旅客駅として開業することが決まったのである。
●スノーシェルター
石勝線の最大の特色と言ってよいものにスノーシェルター(分岐部雪おおい)がある。山も崖もないところでシェルターをくぐるので,不思議に思う乗客も多いことだろう。積雪寒冷地の北海道では,冬季に線路のポイントが積雪や凍結で作動しなくなるため,信号場でも除雪要員を置く必要がある。石勝線ではこの労力を削減するため,全停車場にスノーシェルターを設置している。シェルターは基本的に延長150mで,1基当たり約1億円の建設費をかけている。牧舎を思わせる円筒形の形状は構造力学的に決められたものだというが,石勝線の沿線風景によく似合っている。
下車できない
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