宗谷本線

問寒別 といかんべつ 無人駅
天塩郡幌延町字問寒別
大正12年11月10日開業
標高18m 46人
単線
旭川より175.8キロ
歌内より5.5キロ
2000.8.5下車

●歌内→問寒別の車窓

引き続き牧草地の中を走り,ときおり防雪林が視界をさえぎる。2000年10月,この区間で土砂崩れが発生し,列車がその土砂に乗り上げて脱線するという事故があった。その付近で上川支庁から留萌支庁に入り,問寒別に着く。

●問寒別駅

宗谷本線共通タイプの貨車駅。生々しく残る旧駅舎の土台や,交換駅であったことの名残の線路のカーブがむなしい。駅前にはプレファブのトイレがあるが,男女別ではなく,大便器と小便器の別で分かれており珍しい。水道はないが,手洗い用の水が小さなタンクに汲んであるところに,温かみを感じる。
問寒別はそれなりの市街地で郵便局や呉服店もある。Aコープは買い物に便利だ。この規模の市街地にしてはあかぬけた感じがするが,それは北海道大学の演習林があるからかもしれない。駅から左に少し歩いたところには演習林の庁舎があり,白樺並木に続く官舎や建物は風格がある。
問寒別というのはいかにも寒さが厳しそうな名前だが,アイヌ語のトイカンペツ(土のかぶさる川の意)に由来する。豊神別(とよかんべつ)と書くこともあるが,これはこの地区の人たちが宗教心が厚く,豊かになることを願ったものだといわれる。今も駅の北西には立派な問寒別神社が建っている。
昭和5年から昭和46年まで問寒別駅前から問寒別川に沿って幌延村営軌道が出ていた。沿線には炭鉱があったほか,戦後まで入植者があった。特に後期の入植者はほとんどだまされるようにして連れて来られ,戦後に至ってもほとんど縄文時代と変わらない掘っ立て小屋で開拓にあたったという。
どういうわけか,この問寒別から次の糠南駅まで歩いて訪れる旅人が増えているという。途中には前記の北大演習林庁舎や問寒別神社がある。また問寒別神社向かいの山は「学校林」として遊歩道や体験舎などが整備されている。鳥のさえずり,虫の音,蝶など自然が豊かで,心安らぐ。

●見どころ

観光地化されていないが,北大演習林庁舎の白樺並木,問寒別神社,学校林など見どころ多数。

北大演習林の白樺並木 駅舎同様,NTTの電話交換所もプレファブ化されている。

歌内 北海道駅前観光案内所 糠南