麓郷盆踊り大会

訪問日:2007年8月14日(火)

場所:富良野市麓郷 小野田そば店前特設会場

麓郷という集落を改めて地図で確認すると,実は大変な山奥にあるということがわかる。それでもそれなりの市街地ができたのは,東大演習林の作業所が置かれ,国鉄布部駅との間に森林軌道が敷かれたからだった。過疎化はずいぶん前から進んでいたが,昭和56年から放送が開始されたテレビドラマ「北の国から」のロケ地となり,観光客がたくさん訪れるようになった。そのためもあって,市街地は明るい雰囲気で,農協のスーパーや,「麓郷デパート」「小野田そば」など,昔ながらの店が元気に営業している。

ドラマの最終回が放送されてから久しくなり,さすがに車の渋滞が富良野市街まで続くようなことはなくなったが,いまでは名古屋麺屋横丁や札幌らーめん共和国にも出店した「とみ川」,家族連れや甘党に大人気のアンパンマンショップ,北海道では麓郷だけという"しばれ硝子"の「ふらの硝子」など,全国的に見ても一流といえる店が多数立地し,麓郷はこれからも魅力的な観光地であり続けることと思う。

盆踊りは豊穣祈願,御精霊慰をテーマにして毎年行われている。

会場は麓郷のメインストリートを通行止めにして行われる。18時を過ぎ,おおかたの観光客が帰った頃を見計らって交通規制が敷かれた。あらかじめ道路脇で組まれていた櫓には,車輪が取り付けられており,手際よく道路の真ん中に運ばれて,あっという間に会場ができあがってしまった。

18:40〜19:30 子ども盆踊り

子ども盆おどり唄は持田ヨシ子版が使用されていた。太鼓は麓郷小学校の6年生が担当していた。踊りはあまり揃っていなかったが,大きな子どもよりもむしろ小さな子どものほうが踊りを知っているようで,輪の先頭に小さな子どもたちが並んで頑張って踊っていたのは頼もしかった。「赤くほんのり」のところではやはり富良野らしく,こぶしを突き出していた。

子ども盆踊り動画(4.3MB)

19:40〜20:30 大人盆踊り

大人盆踊りは仮装で行われた。この日富良野市内では,本通の「まちなか盆踊り大会」と「山部盆踊り大会」が同時に開催されていたこともあって,なかなか賞の数だけ参加者が集まらなかったが,最後には賞の数以上になったようである。

審査には麓郷振興会会長,市議会議員2名,女性代表者,麓郷小学校校長,麓郷中学校教頭,小学校PTA会長夫人の7名があたっていた。

仮装のテーマは,定番の西遊記,ゲゲゲの鬼太郎,フラガールなどがあった。奇しくも西遊記の仮装をしたグループが2組あったが,見栄えの差は歴然としており,順位にそのまま現れてしまったのは気の毒だった。

北海盆唄は三橋美智也の唄が使用されていた。この音源は昭和33年に発売されたもので,当時人気絶頂だった三橋美智也が唄ったことで,北海盆唄は一気に道内外に知られるようになった。モノラル録音でありながらも,現在市販されている北海盆唄のテープ・CDの多くがこの音源を使用しているのであるが,この音源が実際の盆踊りで使用されることは非常に珍しい。

大人盆踊り動画(3.8MB)

20時30分からはお楽しみ抽選会が行われた。小野田そば,とみ川からお食事券,共済農場からジャム,アンパンマンショップからアンパンマン,ドキンちゃん,チーズのぬいぐるみなど,全国的な知名度を持つ店から豪華賞品の数々が提供されていた。

富良野の北海へそ祭りは「北の国から」に出て,観光客がたくさん訪れるようになったが,どういうわけか,盆踊りはドラマに1度も出なかった。もし「北の国から」で麓郷の盆踊りが紹介されていれば,この素晴らしい北海道の盆踊りが全国に知られることになったのにと思うと,残念である。