第21回第二桜台町内会納涼盆踊り大会
訪問日:2007年8月10日(金)
場所:札幌市厚別区厚別西みどり公園
お盆前の週末のこの日,札幌市内では盆踊りが最盛期を迎えていた。会場へはJR函館本線厚別駅から歩いて15分ほどだが,途中いろいろな方向から盆踊りの唄が聞こえてきた。
厚別区は札幌市内でも特に盆踊りに熱心に取り組んでいる地域と見られ,区役所のホームページや地域情報紙「まんまる新聞」で,区内の盆踊り日程が詳しく紹介されている。今年「まんまる新聞」に掲載されていた区内の盆踊りだけでも16箇所に及ぶ。厚別区の人口は約13万人であるから,およそ8000人に1か所の割合で櫓が立っているということで,この割合を仮に札幌全域に適用すると,市内230か所以上で盆踊りが開催されていることになる。昭和50年代の全盛期で市内に300の櫓が立ったと言われているが,現在でも意外と盆踊りは減っていないのである。
実際に全道の盆踊りを見て回っていると,地方よりもむしろ札幌の方が盆踊りが盛んなように思われる。近所づきあいが少なくなった都会では,地域の人たちがふれあうことのできる盆踊りの重要性が時代とともに増してきており,年に一度の町内会あげてのイベントとして盆踊りに取り組んでいるところが多いのである。
18:30〜 開会式
太鼓は「よつば子ども会」の子供たちが担当しており,この日のために練習を積んできたという。
今日この盆踊りを見に来たのは,ある方の強烈な押しがあったからである。曰く,町内会でこれほど熱心に盆踊りに取り組んでいるところはなく,大臣級の国会議員も毎年訪れる。北海盆唄は老人クラブが担当しているというのである。
第二桜台町内会は厚別駅の北西約1kmの原野に昭和50年代に開発された一戸建ての住宅地である。商店街などはないため,出店も町内会の人たちの手作りで,食券制を採用していた。各テントには「桜台町内会」や「よつば子ども会」の文字が入り,ゼロから出発した町内会が,年に一度の盆踊りのために長年かけて積み上げてきた財産には,いろいろな人の思いが込められているように思われた。
18:30〜19:30 子供盆踊り
子供盆踊りは持田ヨシ子盤のテープが用いられ,基本に忠実な踊りをしていた。例えば,前奏で円心向きに前進する際,振り付けの睦哲也氏の解説では「両手は上の方からかぶるような気持ちで持ってきて」としているが,札幌ではすくうようにして手を上げる場合が多い。
さらに,全道的に見れば「そよろそよ風」と「シャンコシャンコ」の部分を同じ振りで踊る場合が多いが,本来前者では上にかざすの手の肘下に反対の手を持ってくるのに対し,後者では片手をすくい上げるとともに,もう片方の手は小指で風を切るように斜め下へ降ろすのである。札幌市内では比較的この部分を忠実に踊っているケースが多いが,前述の前進の際の手が逆になっている。
その他の箇所も大変きれいに流れるように踊っており,見ていて気持ちがよかった。
子供盆踊り動画(3.0MB)
1時間しっかり踊って子供の部は終了。恒例によって終了間際に輪がふくれあがり,しゃがんでお土産をもらっていた。
1940〜20:30 大人盆踊り
町内会長の挨拶を挟んで,大人盆踊りが始まった。はじめはなかなか踊る人がいなかったが,踊り好きな役員が先頭に立って踊り,さらに自らマイクを持って参加を呼びかけるなどし,20時過ぎから踊りの輪ができてきた。
太鼓は子ども会のOBであろうか,サングラスの少年や,茶髪の少女も加わっていた。踊り手に高校生や大学生など若者が多いのもこの盆踊りの特徴である。
老人クラブが演奏を担当しているというので楽しみにしていたのだが,唄はひばりが丘団地と同じテープだった。ちなみに大臣級の国会議員は参院選のごたごたで来られなかったようだが,国会議員が来るというのは本当だった。
昨年までは1時間半踊っていたとのことだが,今年は1時間に短縮して20時30分終了。終了後大人に景品が配られた。踊っていない人や子供は受け取ってはならないと,厳しく注意され,写真を撮るのに近寄るのもはばかれる雰囲気があった。近年は盆踊りの景品代が主催者の負担になっていると聞くが,今は昔と違って物があふれ,景品のありがたみも薄れているのだから,そんなに景品にこだわることもないと思うのだが。
大人盆踊り動画(3.5MB)
最後に抽選会が行われた。