大麻・文京台市民夏まつり

訪問日:2008年7月19日(土)

場所:江別市大麻中央公園宮町グランド

人口12万人あまりの江別市では,江別地区,野幌地区,大麻・文京台地区の3地区それぞれで市民夏まつりが開催される。大麻・文京台地区は江別市内で札幌にいちばん近い地区で,函館本線の北側に位置する大麻地区は昭和39年の道営大麻団地造成以来,札幌のベッドタウンとして宅地開発が進んだ。函館本線の南側の文京台地区には酪農学園大,札幌学院大や道立図書館が立地している。同地区の夏まつりは例年7月後半に開催され,その中で実施される盆踊りは,北海道でも最も早い時期に行われる盆踊りの一つとなっている。

会場の大麻中央公園宮町グランド。

18:00〜18:45 早見静香歌謡ショー

地元大麻の演歌歌手・早見静香の歌謡ショーの最後は「北海盆唄」で締めくくられ,大麻千鳥会のメンバーがステージ下で踊りを披露した。

北海盆唄動画(2.9MB,MP4)

18:45〜19:15 子供盆踊り

 

子供盆踊り唄は持田ヨシ子版のテープが使用されていた。ステージ上では大麻千鳥会と大麻小学校の児童が囃子を担当しており,三味線や締太鼓が入るなど,子供盆踊り唄の伴奏としては破格の豪華さだった。

しかしお囃子の豪華さとは対照的に,踊りは統制がとれておらず,司会者の呼びかけで大麻千鳥会のメンバーがステージに立って踊りを始めたが,これがまったく酷いものだった。そして子供達はステージ下に群がってしまい,踊りどころではなくなってしまった。

10分後,いったん演奏を中断し,観客席をぐるりと取り囲む形で輪が作られ,その後15分ほどで子供盆踊りは終了した。

子供盆踊り動画(4.1MB,MP4)

通常であれば子供達はその場にしゃがんでお土産を受け取るところだが,このまつりの実行委員は非常に動きが悪く,ステージ上からお土産を配ることになった。司会者にもいらいらがつのり「ああもう」と役員に対して声を上げる場面もあった。

結局,お土産はまったく数が足りず,はじめは住所と名前を書けば後日届けるとアナウンスされたものの,その後100円分の遊技券を配ることに変更された。その遊技券も途中でなくなってしまった。

お土産などあってもなくても良いと思うが,子供達にとっては貴重な一夏の体験である。最低限,きちんと輪になって盆踊りを踊ることができるよう,主催者には段取りをしてもらいたいものである。

19:15〜19:45 大麻千人踊り

次のプログラムは大麻千人踊りと称するが,実態は北海盆唄による大人盆踊りだった。はじめは観客席を取り囲むように大きな輪が作られたが,輪がつながらないので,ステージ下に改めて小さな輪が作られた。観客は少なくなったが,ステージ下はなかなか熱気を帯びてきた。

唄は札幌斉藤支部門人会大麻千鳥会が担当しており,江別らしく本格的なI型歌唱法だった。唄われた全歌詞は次のとおりである。わずか15分で終了したが,それでも最後に「あまり長いは……」の歌詞が出たのはおかしかった。

大麻千人踊り動画(4.6MB,MP4)

波の花散る 津軽の海を 越えて蝦夷地へ いつ来たか
北海名物 数々あれど おらが江別の 盆踊り
来たは十七 蕾の頃だ 今は二十一 花盛り
色も香もよい 丸くて可愛い 味は十九の 初リンゴ
山で暮せば 侘いもの 水にコブシが 散るばかり
踊り踊る娘が 何故足袋履かぬ 履けば汚れる 褄切らす
五里も六里も 山坂越えて 逢いに来たのに 帰さりよか
唄に誘われ 太鼓に引かれ 今来たこの道 二度三度
主が唄えば 踊りも締まる 櫓太鼓の 気も締まる
踊り揃うて 輪になる頃に 月も浮かれて 円くなる
ちゃんこ茶屋の婆 お茶出せ茶出せ 煙草盆出せ キセル出せ
嫁コ貰うなら 道産子に限る 雪で磨いた 玉の肌
北海名物 数々あれど おらが国さの 盆踊り
貴方百まで わしゃ九十九まで 共に白髪の はえるまで
踊り揃うて 輪になる頃は 月も浮かれて 円くなる
あまり長いは 皆様飽きる まずはここらで とめまする

最後は一同礼,観客は拍手。

大麻千人踊りをもって,本日のプログラムは終了。近くの大麻神社で参拝してから家路に着く市民の姿も見られた。大麻・文京台市民夏まつりは明日も12時から20時半まで開催される。