共練第1町内会・東3条中央町内会 第7回子供縁日・納涼盆踊り
訪問日:2009年8月8日(土)
場所:美唄市東4条福祉会館駐車場
前年に同じ会場で見た東三条中央町内会納涼盆踊り大会が非常に印象的だったため,今年もぜひ見たいと,滝川の盆踊りを中抜けしてこちらの会場へ向かった。美唄駅に着き,駅裏の住宅街にある会場へ駆けていくと,子供盆踊りが行われているところだった。なお,主催者には共練第1町内会が加わり,第7回子供縁日・納涼盆踊り実行委員会による開催となっていた。
子供盆踊り 17:00〜18:00
会場に到着したのは18時半過ぎで,子供盆踊りは後半に差し掛かっていた。曲は「新美唄音頭」が使用されていた。美唄市内では他の盆踊り会場でも,新美唄音頭が使われているようである。
子供盆踊り動画(MP4,5.2MB)
踊りの終了まであと5分となったとき,「そろそろこのくらいのときに輪っかに入っていない子はちょっとお土産はどうしようかというふうに考えていたんだけれども,今からでも輪っかに入ってけれる子にはお土産をあげちゃいましょうか」と,司会から案内があった。
「そっちのほうでただビールだけ飲んでいる子供はいませんか〜」「踊っていない子はいませんか〜」「いませんか」「いませんか」「お土産は何歳くらいまでもらえるのでしょうか」「大人以外はみんなあげちゃう,そういうふうになっています」「その辺で座っているお姉さんたち〜」
と,やや微妙な言い回しで何度も司会者が呼びかけた結果,踊りの最後には大きな輪ができた。
お土産は,花火のセットだった。
櫓からは少し離れたところに「子供縁日」が出ていた。櫓に近接して飲食スペースを設けると踊りが締まらなくなるので,このように場所を分けているのは大変好ましいことである。しかし「子供縁日」にしては,生ビール,やきとり,焼酎,おにぎりと,売っているものが大人びていた。やきとりは6本セットで300円,ビールは2杯セットで500円と,かなり安かった。
大人盆踊り 19:00〜
子供盆踊りから間を開けることなく,大人盆踊りが始まった。前年は太鼓のみの伴奏で,町内会の人たちが唄っていたのだが,今年はカラオケのテープが使用されていた。「北海盆唄を唄いたいという方,ぜひここへきて唄ってください。お願いします」と,司会から案内があり,3名ほどが櫓に上がって,交代で唄っていた。
しかし,その唄が昨年とはまた違った意味で衝撃的だった。昨年,「I型,II型,III型のいずれにも当てはまらない自由自在な唄い方で,間のとり方も太鼓や踊り手との掛け合いによりその時その時である。太鼓さえ無視しているように思われたが,それでも破綻はきたさない。まさに唄の名人だと思った」と書いたが,カラオケのテープにはどうやっても合わないのである。3人とも同じで,名人だと思った唄い手が,カラオケを前にしてはただの音痴なおじさんになってしまっていた。
トーキーの登場で往年の名優が銀幕を去り,テレビ時代の到来によって落語の名人が消えていったというように,新たな技術によって古き良きものが失われていく様子をまざまざと見せつけられたようで,やるせない思いがした。
大人盆踊り動画(MP4,7.8MB)
滝川の盆踊りに戻るため,19時25分頃で会場をあとにした。その時点では,まだ踊り手が一人もなかった。その後,どのくらい盛り上がったのかはわからない。
約20分間のうちに唄われた歌詞は,次のとおりである。昨年と比べると,単調になってしまったが,それでも「美唄よいとこ」「俺とお前は」など,ここならではの歌詞が含まれていた。
盆が来たのに 踊らぬ者は 木仏金仏 石仏
北海名物 数々あれど おらが国さの 盆踊り
五里も六里も 山坂越えて 逢いに来たのに 帰さりよか
来たは十七 蕾の頃に 今は二十一 花盛り
波の花散る 津軽の海を 越えて蝦夷地へ いつ来たか
美唄よいとこ 一度はおいで 米のなる木が お辞儀する
唄え囃せよ 叩けよ太鼓 月の世界に 届くまで
俺とお前は 玉子の仲だ 俺が白身で 君を抱くよ
沖のカモメに 潮時聞けば 私や発つ鳥 波に聞け
丸い卵は 切りようで四角 ものも言いようで 角が立つ
主が唄えば 踊りも締まる 櫓太鼓の 音も弾む