花月地区納涼祭
訪問日:2014年8月10日(日)
場所:新十津川町 社会福祉法人明和会 かおる園ホール
小学校もなくなってしまったいま,地区の中核をなしているのが,特別養護老人ホームかおる園である。そのかおる園で,花月地区を挙げた盆踊りが行われるというので訪ねてみた。盆踊りのポスターは,子供盆おどり唄の踊り方の解説入りという力の入ったものだった。
雨が降る気配はなかったが,会場はかおる園の建物内に変更になっていた。施設入所者も多く参加するという性格上,用心深い対応はやむを得ないだろう。
近郊からもたい焼き,たこ焼き,本格コーヒーなど,模擬店が多数出店していた。
子ども盆踊り 17:30〜18:00
予定よりやや遅れて,17時40分,子供盆踊りが始まった。ポスターにも子供盆おどり唄の踊り方が入っているだけあって,大変きれいな踊りを見ることができた。特に施設の職員の中には,めったに見ることのない,ほぼ完ぺきな振付けを習得している方もおり,見ていて気持ちの良い踊りであった。
音源は持田ヨシ子盤が,後奏入りのオリジナルで用いられ,前半で3回踊った後,途中10分ほど休み,後半2回で終了した。建物内は暑く,水分を十分採るようにと,司会が繰り返し注意を促していた。
子供盆踊りは審査制で,頑張ったで賞,キュートで賞など10名が入賞,その他参加証として昔ながらの紙袋入りのお菓子をもらっていた。
会場内では,「未来のマー君」景品ボールあてゲーム,「未来の遼君」ゴルフビンゴゲームなど様々なアトラクションが行われており,入所者もゲームの券を配布するなどして参加していた。
スイカ割りは,目隠しをした子供が車いすを押して,車いすに乗った入所者がバットでスイカをたたき割るというもの。軽い樹脂製のバットでスイカを割るのはなかなか苦労していた。割ったスイカは盆踊りの参加者にふるまわれた。
大人盆踊り 18:30〜19:00
大人盆踊りは新十津川おどり保存会の北海盆唄の生演奏で行われた。唄われた歌詞は20種類余りで,次のとおり道外の民謡から採られたものが多かった。
北海名物 数々あれど おらが国さの 盆踊り
○○○○○○○ ○○○○○○○ 声の悪いのは 親譲り
唄も続くが 踊りも続く 月の明るい 夜も続く
今年や豊年 穂に穂が咲いて 道の小草に 米がなる
踊り上手と 噂の種を まいて嬉しや 恥ずかしや
竹に雀は 姿よく止まる 踊り上手は 目に止まる
お医者様でも 草津の湯でも 惚れた病は 直されぬ
惚れた病も 治せば治る 好いたお方と 添いや治る
お前百まで わしゃ九十九まで 共に白髪の はえるまで
俺とお前は 羽織の紐だ 固く結んで 胸に抱く
○○○○○○○ ○○○○ように 永久に寄り添う ○○○○○
川は石狩 五穀の流れ ○○○○○○○ どこまでも
○○○○○○○ ○○○○○○○ 町を挙げての 盆踊り
○○○○○○○ 十津川育ち 今は蝦夷地で 盆踊り
可愛いあの娘が 横笛吹けば 粋な若衆が ○○叩く
寺の紅葉が 色づき○○○ ○○○○○○○ ○○○○○
踊り踊るなら 品よく踊れ 品のよい子を 嫁にとる
あまり長いのは 踊り衆がつらいよ ここで引き上げて ひと休み
揃ろた揃ろたよ 踊り衆が揃ろた 稲の出穂より よく揃ろた
あまり長いのは 音頭がつらいよ ここで引き上げて 止めまする
※「○○○」は音声不明瞭により歌詞不明
途中,新十津川おどり保存会による「やっちょん踊り」と「花づくし」が披露された。新十津川は明治22年8月の大雨で壊滅的被害を受けた奈良県十津川郷からの移民により拓かれた町である。十津川は現在も独特の盆踊りが伝承されているが,新十津川町においても,1980年に新十津川おどり保存会が結成され,国指定の重要無形民俗文化財「十津川の大踊」を伝承している。
休憩をはさみ,北海盆唄による盆踊りが再開。踊り手もはじめ保存会の人たちが多かったが,後半は仮装の参加者や入所者も加わり,美声の音頭取りの方もますます調子を上げて活気づいた。
19時ちょうど,踊りは終了。審査により,ワイルドで賞,しなやかで賞,のりのりで賞,変身したで賞,あんたが大賞,各1名が発表された。このあと,屋外に場所を移して納涼花火大会,さらに砂川の北菓楼提供のお菓子の振る舞いが行われたようだが,最終バスの時間となり,19時過ぎに会場を後にした。