ふるさと赤平納涼フェスティバル

訪問日:2006年8月16日(水)

場所:赤平市赤平駅前

1994年の住友赤平鉱業所閉山まで石炭の搬出が続き,貨物発送量が全国1位になったこともあるという根室本線赤平駅の駅前広場で開かれる盆踊り。2006年には8月16日,19日,20日の3日間にわたって開催された。「納涼フェスティバル」と銘打っており,各日とも盆踊りの合間に「納涼歌謡ショー」が行われる。毎年10月には炭坑節全国大会が赤平市文化会館で開かれる。北海盆唄ももとは「北海炭坑節」と呼ばれていたことを考えれば,赤平も北海盆唄の本場ということになるだろう。

 

16日は18時半過ぎに到着したが,既に子供盆踊りは終了しており19時からの歌謡ショーを待っているところだった。大人盆踊りは20時からの抽選会が終わったあとに始まるというので,急遽列車で芦別に引き返して芦別の仮装盆踊りを見ることとした。芦別からは20時20分発の滝川行き最終バスで赤平に戻った。

6階建ての大きな駅舎の前に四角錐台の櫓が組まれている。踊り手は少ないが,やはり踊りには炭坑町特有の力強さがあった。21時頃には輪がつながり,内側にもう一つの輪ができ始めたが,外側が反時計回りで踊っているのに対して,内側の輪が逆回転になっているのが珍しかった。

唄は地元の唄い手が交代で務める。太鼓は軽快でテンポが速く,非常にゆっくりとした芦別駅前の盆踊りとは対照的である。囃子言葉も威勢が良く,「北海名物」のあと「ハー・ドウシタドシタ」が比較的多く聞かれる囃子だが,ここでは「ハ・ドシタードシタ」になっており,踊り手の中には「ドシタイ・ドシタイ」と言っている人もいた。

また曲の終わりの部分は,

「ソーリャ・エンヤーコーラヤッハードッコイドッコイドッコイナット」

と,「ソリャ」で始めているのはかなり異色であるといえる。また,「コーラヤット」で止めずに,そのまま「ヤッハー」とつなげている。

唄われた歌詞の主なものは次のとおりである。若干色気のあるものも含まれ,突然「ミヨちゃん」の唄が挿入されたり,有名な「娘十七八 やりたい盛り……」の歌詞が登場したときには場内がどっと沸いた。

動画1(「ミヨちゃん」入り)(2.8MB)

動画2(「ドシタイ・ドシタイ」の囃子言葉)(2.8MB)

北海名物 数々あれど おらが北海道の 盆踊り
五里も六里も 山坂越えて 逢いに来たのに 帰さりよか
揃ろた揃ろたよ 踊り子が揃ろた 秋の出穂より よく揃ろた
今年ゃ豊年 ほに穂が揃ろた 道の小草に 米がなる
主が唄えば 踊りも締まる 櫓太鼓の 音も弾む
阿寒大雪 雲間に晴れて 月の世界に 届くまで
波の花散る 津軽の海を 越えて蝦夷地へ 帰さりよか
盆は嬉しや 別れた人も 晴れてこの世に 逢いに来る
盆の十六日 二度あるならば お墓まいりの (二度まいる)
○○○○○○○ 手拍子揃い 櫓囲んで 浴衣がけ
踊り揃うて 輪になる頃は 月も浮かれて 円くなる
娘十六七 やりたい盛り (親もさせたい 針仕事)
茶屋の婆から ○○○○○○○ ○○○○○○○ ○○○○○
※「○○○」は歌詞不明,(   )内は一般的な歌詞からの推測