大雄寺盂蘭盆会縁日
訪問日:2002年8月16日(金),2004年8月16日(月),2005年8月16日(火)
場所:上富良野町大雄寺境内
2005年(第4回)ポスター | 2006年(第5回)ポスター |
上富良野町においても,かつては商工会,農協,北工電子などが主催する大きな盆踊り大会があり,お盆には毎日どこかから子供盆踊りの唄が聞こえてきたものだが,不況やヨサコイブームのあおりを受けて盆踊りの灯が完全に途絶えてしまった。
しかし,「やっぱりみんなで踊れる盆踊りが必要だよね」という声がどこからともなくわき上がり,盆踊りを復活させる体力を既に失っていた商工会や農協に代わって開催することになったのが,曹洞宗佛国山大雄寺である。
主催は大雄寺護持会,中町商店街の共催で,檀家に限らず町内随一の盆踊りとして多くの町民が参加している。「盂蘭盆会縁日(うらぼんええんにち)」と名乗っているが,いわゆる「お盆」の行事は盂蘭盆会のことである。盂蘭盆はサンスクリット語のullambanaに由来し,先祖の霊を供養し,倒懸(とうけん)の苦しみを救うという意味を持っている。
毎年8月16日に開催され,当日は13時から盂蘭盆会法要がとりおこなわれ,18時半の灯籠流しに引き続いて19時から子供盆踊りが始まる。19時30分前後に休憩を挟んで20時まで踊りが続いた後ビンゴ大会となる。子供盆おどり唄は持田ヨシ子版で,安政太鼓のチームが迫力ある叩きを披露している。
第1回の2002年は,町内で久しぶりの盆踊りというだけあって踊れる子供は少なく,見物客の姿ばかりが目立った。それでも,このときを待っていましたとばかりに張り切って踊るお母さんやおばあちゃんもおり,町の人達の大きな期待を感じることができた。
3回目の2004年には恒例行事としてすっかり定着した様子で,綿アメや焼き鳥の売店も出て賑わいを増していた。
2005年は盆踊りに先立って行われる灯籠流しから見学した。お寺の中から灯籠を持った人達が出てきて,富良野川の対岸に渡る。
五丁目橋のたもとから灯籠が流され,無数の灯籠が富良野川をゆっくり下っていく。右の写真に移っているのはちょうど大正15年の十勝岳噴火で泥流に流された遺体がたくさんたまった場所で,奥に見える橋は「涙橋」と呼ばれる。檀家の人達は欄干からお経を唱えて灯籠を見送っていた。
子供達の踊りも年々かたちになってきた。「赤くほんのり」の箇所は正調の振付と,右,左の順に胸の前で手をクロスさせるパターンがおよそ半々である。
2005年子供盆踊り動画(3.9MB)
なお,2006年には上富良野町内で大雄寺のほかに島津球場でも盆踊りが開催されていたとのことである。