第19回白石ふれあい盆踊り

訪問日:2006年8月12日(土)

場所:札幌市白石区わらべ公園

昭和50年代の盆踊りブームの時には札幌市内だけで500もの櫓が建ったという。いまはそれほどの数はないだろうが,お盆になれば毎日どこからか盆踊りの唄が聞こえてくる。この盆踊りもそうした商店街,町内会単位で開催される盆踊りの一つで,JR函館本線白石駅から約500mのところにある公園で2日間にわたって開催される。主催は白石ふれあい盆踊り実行委員会で,白石駅周辺の各商店街が協賛している。櫓を中心にして広場に3重の円が描かれ,外側には食べ物,飲み物の売店やヨーヨーすくい,輪投げのコーナーが出ている。

18:25〜19:20 子ども盆踊り

踊りが始まって5分ほどでいちばん外側の輪がつながり,最終的には白線に沿ってきれいな3重の輪ができた。婦人会の奥様方が先頭に立って踊り,子供たちの手本となっているので,大変きれいな踊りが見られた。振付は間奏部分で両手をすくうように持ち上げるなど,札幌特有の型をなしている。曲はタンポポ児童合唱版が使用されているが,スピーカーに余力がないため音が濁っていたのは惜しまれる。太鼓が下手で,曲の調子と微妙に合っていないのが気になった。踊り終了後は慣例に従って子供たちはその場にしゃがみ,お土産を受け取っていた。

子ども盆踊り動画(3.0MB)

19:30〜 大人盆踊り

提灯の明かりだけを頼りに,かなり暗い中で踊られ,都会らしい艶のある踊りが見られた。唄と囃子は日本民謡協会ホクショウ支部(司会者の紹介のママ)で,歌詞は下記の通り基本的に『北海盆唄考』に採録されているものが唄われていた。唄い方は同書でいう典型的なI型で,初めの「ハー」を4拍分伸ばし,こぶしを入れて下げどめ,また「アレサナー」を低く歌い出すなど,中田篁聲の「北海炭坑節」の系統を継承している。

大人盆踊り動画(2.6MB)

北海名物 数々あれど おらが国さで 盆踊り
五里も六里も 山坂越えて 逢いに来たのに 帰さりよか
波の花散る 津軽の海を 越えて蝦夷地へ いつ来たや(ね)
来たは十七 蕾の頃だ 今は二十一 花盛り
花の盛りを 紅鉄漿忘れ 拓くトド山 ガンピ山
若い日本の 憧れ抱いてよ 夢も明るい 北海道
主が唄えば 踊りも締まる 櫓太鼓の 音も弾む
踊り見に来て 踊らぬ者は (木仏金仏 石仏)
恋に焦がれて 鳴く蝉よりも 鳴かぬ(蛍が 身を焦がす)
山は大雪 雲間に晴れて 蝦夷の昔を 語るやら
色も香もよい 丸くて可愛い 味の十九の 初リンゴ
阿寒大雪 支笏に洞爺 尽きぬ絵巻の 北の国
海が呼ぶ呼ぶ 飛沫が招く 咲いたハマナス 誰を待つ
燃えるハマナス 乙女の胸に 櫓太鼓に 夜が更ける
踊り揃うて 輪になる頃は 月も浮かれて 円くなる
花が過ぎても 時節が来れば 様と世帯の 実が結ぶ
はやし太鼓に 手拍子揃え 櫓囲んで 盆踊り
※(   )内は一般的な歌詞からの推測