ふる里の民踊をたずねる旅の北海盆唄

訪問日:2003年9月14日(日)

場所:弟子屈町 釧路圏摩周観光文化センター

全日本民踊指導者連盟の全国大会「ふる里の民踊をたずねる旅」が2003年は弟子屈町を会場として行われた。これは弟子屈町が開基100周年記念事業として,道民芸術祭・第27回釧路地方郷土芸能祭と併せて開催したもので,同大会初めての本道開催ということもあり,全国から過去最多となる約380名の指導者が参加,地元愛好者と合わせて総勢600名が弟子屈町に結集した。

大会は午前9時に始まり,初代コロムビア・ローズが唄う弟子屈音頭で幕を開けた後,秩父音頭,津久見扇子踊り,五島さのさ,下関平家踊り,鹿野さんこ踊り,重忠節,茶切節,江差餅つきばやしなど全国各地を代表する民踊を参加者全員で踊った。最後はフォークダンスの傑作,音別蕗まつり音頭で締めくくられた。

11時15分より平成15年度道民芸術祭・第27回釧路地方郷土芸能祭に移り,ステージで川湯ばやし,標茶音頭,時雨白糠,当別獅子舞("当"は金へんに当),蕗まつり音頭,ディスイズ音別よいところ,弟子屈音頭が披露された。

引き続き12時45分から地元の参加者と民踊指導者連盟の交流会ということで,北海道民踊指導者連盟のメンバーが壇上に上がり,参加者は私服に着替えて,あきあじ音頭,古平鱈釣り節,ソーラン節など道内の民謡で踊った。そして大トリで北海盆唄が登場した。

これまでの踊りはすべて歌唱入りのテープが使用されていたが,北海盆唄だけは民謡歌手がステージに上がって生で唄った。伴奏のテープは富良野市の第26回まちなか盆踊り大会で使用されていたものの唄なし版が使用されていた。このテープは道内で制作されたものと思われ,「ヤーレット入り」である。そのため,唄と振り付けがきれいに同調した踊りが見られた。私服に着替えてしまっているので見栄えはしないが,その分足の運びがよくわかり,踊り手はみな「先生」なので,模範演技として格好の事例である。 

唄い方も,出だしの「ハァ」は3拍まっすぐ伸ばして上げどめ,囃子は「ドッコイドッコイドッコイナット」,「アレサナー」は高く唄い出すという典型的なIII型をなしており,札幌以外の道内地域における代表的な唄い方だといえる。

「北海盆唄」動画(7.2MB,この動画のみMOVファイルですので,再生にはQuickTimeが必要です)