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2009.11.29

ホームページ開設10周年にあたって

1本の杭を見つけたことからニニウに高速道路ができることを知り,このことを多くの人に知ってもらいたいとの思いからその6日後の1999年11月29日,ホームページ「北海道観光大全」を立ち上げた。いまやニニウを通る高速道路の完成が目前に迫っていることを思うと,10年の月日の流れを実感する。これまでホームページを続けてこられたのは,寛大に見守っていただき,ときには忠告や励ましをいただいた皆様方のおかげであり,深く感謝申し上げる次第である。

1999年といえば,それまでパソコンマニアの同人誌的世界に過ぎなかったインターネットが,コンピュータを得意としない人たちにも広く浸透し始めた頃である。自分の発言を瞬時に全世界に発信できるというインターネットの世界に,当時は誰もが無限の可能性を感じていたはずだ。当時のインターネットはいわば未開の原野であり,そこに自分で新しい分野を開拓していくことは非常にやりがいのあることだった。

そうして1990年代の末から2000年代の初頭にかけて,数多くの個人Webサイトが誕生したが,その勢いのピークは2004年から2005年頃だったように思われる。2005年のゴールデンウィークに,北海道の地域情報関連Webサイトの管理人が一堂に会し帯広でオフ会を開催したのはそれを象徴する出来事だった。その後,個人の情報発信ツールとしてブログがホームページを凌駕し,コミュニケーションツールは掲示板やチャットから,ミクシィやツイッターに移行した。個人Webサイトが淘汰される一方,公的Webサイトの充実によって,より信頼性のある情報を入手できるようになり,個々のサイトの掲示板に代わって,Yahoo!やgooにより質問の場が提供された。こうしたWeb情勢の移り変わりに呼応するように,当サイトへのアクセス数も右肩下がりに転じた。

旅行記「モリオカの太鼓」として掲載した2005年8月の岩手旅行は,サイトの方向性を変える一つの転機になった。反ヨサコイの姿勢は,この10年間一貫しているが,その対照にあるものとして東北地方の文化に魅力を感じ,当初は東北を頻繁に旅行した。しかし,さんさ踊りが行われている一本裏の路地で,踊りに参加できない少年達がふてくされているのを見たとき,美しい祭りの裏側にある一面に気づいたのである。それから,本当の意味で誰もが参加できる北海道の盆踊りこそが北海道が世界に誇ることのできる素晴らしい文化だと考えるようになり,翌年から道内各地の盆踊り巡りを始めた。

Webサイトで発信した内容が,社会に対してどのくらいのインパクトを与えるのか,10年やってみても正直わからない。ただ,2004年3月の石勝線楓駅廃止,2006年4月のふるさと銀河線廃止という2つの出来事に対しては,現実の世界とかなり積極的な関わりを持つことができたように思う。駅や路線の廃止は残念だったが,多くの人たちとの出会いがあったのは喜びだった。

2007年3月には占冠村で初めての鬼峠フォーラムが開催された。これは私としてはそれまで7年間ニニウついての情報を発信してきたことの一つの結果だったが,参加者一人一人にまたいろいろな経緯や思いがあり,それが一気に結集して爆発したイベントだった。

鬼峠フォーラムの開催をもって,「北海道観光大全」を立ち上げた目的は果たしたと考え,アクセス数アップのために存置していた北海道観光地リストを2009年5月に廃止し,サイトの名称を「北海観光節」に改めた。


トップページhttp://www.onitoge.org/index.htmへのアクセス数

1999年当時,北海道の観光関連情報を扱う一般向けの雑誌としては「じゃらん北海道発」がほとんど唯一の存在だった。その後の道内情報誌の充実ぶりは,インターネットとは比較にならないくらい目覚ましいものがある。

こうした,Webや紙媒体を含めた周辺環境の変化の中で,個人Webサイトの存在意義も変わりつつあるが,私がずっと訴えたかったのは,人間は何によって生かされているかを,もっときちんと学ぶ必要があるのではないかということだった。人類は今後どういう方向に進むのかわからない。宇宙開発,原子力,バイオテクノロジーのような技術開発によって更なる発展を遂げる可能性も否定できないし,小さく慎ましく生きる道を選ぶのかもしれない。ただいずれの道を進むにしても,人間は自然や土地と縁を切って生きていくことはできないと思う。自然や土地をきちんと見ることがすなわち観光であり,観光することの大切さをホームページを通じてこれからも問いかけていきたい。

北海道の観光・地域情報関連雑誌
誌名 発行元 発刊頻度 創刊
ほっかいどう観光百景 北海道観光百景 月刊 1962.4
じゃらん北海道発 リクルート北海道じゃらん 月刊 1994.9
なまら蝦夷   不定期 1996.4
poroco コスモメディア 月刊 1997.8
北海道いい旅研究室 海豹舎 不定期 1999.5
モーリー 北海道新聞社 年2回刊 1999.7
花新聞ほっかいどう 道新スポーツ 月2回刊 2000.4
EastSide バルク・カンパニー 季刊 2000.4
HokkaidoWalker 角川書店 月刊(2009.7〜) 2000.7
観光会議ほっかいどう リクルート北海道じゃらん 季刊 2000.11
きままにいい旅北海道
(2004年春〜「おとなのいい旅」)
リクルート北海道じゃらん 季刊 2001.6
2008.8休刊
MyLOFE コスモメディア 隔月刊 2002.4
faura 北国からの贈り物 季刊 2003.9
札幌人 札幌グラフコミュニケーションズ 季刊 2004.4
スロウ クナウマガジン 季刊 2004.5
北海道百科 北海道新聞社 季刊 2004.6
2007.12休刊
Ho 財界さっぽろ 隔月刊 2004.9
北海道生活 コスモメディア 季刊 2006.3?
O.tone あるた出版 隔月刊 2006.10
カイ(KAI) ノーザンクロス 季刊 2008.10
鉄道で旅する北海道 エムジー・コーポレーション 季刊 2008.12

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